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DTMを始めるのに、パソコン以外で最低限必要なのは「DAW(作曲ソフト)」と「モニター用ヘッドホン」の2つだけです。MIDIキーボードやオーディオインターフェース、スピーカーは、予算と目的に合わせて少しずつ足していけば問題ありません。

この記事では、EDMを作りたい初心者向けに、パソコン以外に必要な機材を優先順位つきで整理し、「5万円/10万円/20万円」の価格帯の目安ごとに構成例を紹介します。製品はサウンドハウスで扱っている現行モデルから選びました。価格はセールや為替で変わるため記載していません。購入前に販売ページで確認してください。

この記事でわかること

  • DTMでパソコン以外に必要なものと、買う順番
  • 5万/10万/20万円の価格帯の目安ごとの機材構成例
  • 初心者がやりがちな機材選びの失敗と、その避け方

DTMでパソコン以外に必要なもの【優先順位つき】

最初に必要なのはDAWとヘッドホンで、それ以外は「困ってから買う」で十分です。下の表は、EDM制作を前提にした優先順位です。

優先度機材役割なくても始められる?
1DAW(作曲ソフト)打ち込み・録音・ミックスをするソフト必須(無料DAWでも可)
2モニターヘッドホン音を正確に聴くほぼ必須
3MIDIキーボードメロディやコードを鍵盤で入力するマウスやPCのキーボードで代用可
4オーディオインターフェース音質の向上、遅延の低減、マイクやスピーカーの接続打ち込み中心なら後回しでも可
5モニタースピーカーミックスの判断、低域の確認当面はヘッドホンで可
6有料プラグイン・サンプル音色の幅を広げる無料のものから始められる

パソコン本体の選び方はDTM向けPCの記事にまとめています。メモリは編集部としては16GB以上、大きな音源を多用するなら32GB以上をおすすめしています(公的な基準ではありません)。

1. DAW(作曲ソフト)

EDMを作るなら、ループを組み立てやすい FL Studio がおすすめです。所有するエディションのアップデートは無料で、最新版の「FL Studio 2026」(2026年7月公開)も追加料金なしで使えます。オーディオの録音やオーディオクリップを本格的に扱うなら、Producer Edition 以上が目安です。エディションの違いはImage-Line公式サイトで確認してください。

まずはお金をかけたくない場合は、無料DAWの Waveform Free(Tracktion)、Cakewalk Sonar の無料プラン、Mac なら GarageBand も選択肢です。DAWの比較はおすすめのDAW、FL Studio を安く買う方法はFL Studioを安く購入する方法で解説しています。

サウンドハウスで FL Studio Producer Edition を見る

2. モニターヘッドホン

ヘッドホンは、音楽を楽しむためのリスニング用ではなく、音を正確に聴くための「モニター用」を選びます。Bluetooth のワイヤレスヘッドホンは遅延があるため、打ち込みやミックスには向きません。定番は Sony MDR-CD900ST、Sony MDR-7506、audio-technica ATH-M50x です。詳しくはDTM向けヘッドホンのおすすめをどうぞ。

3. MIDIキーボード

MIDIキーボードは、メロディやコードを鍵盤で弾いて入力するための機材です。音は出ないので、DAWやシンセ音源を鳴らして使います。机が狭いなら25鍵、両手でコードとメロディを弾きたいなら49鍵以上が目安です。選び方はMIDIキーボードの選び方で解説しています。

4. オーディオインターフェース

オーディオインターフェースは、パソコンとヘッドホン・スピーカー・マイクをつなぐ機材です。パソコン内蔵の音声出力より、音の遅延(レイテンシー)が小さく、ノイズも少なくなります。打ち込み中心でも、スピーカーを買う段階では必要になります。詳しくはオーディオインターフェースは必要か?をどうぞ。

5. モニタースピーカー

ヘッドホンだけだと、低域の量や左右の広がりを判断しにくくなります。ミックスの精度を上げたくなったら、スピーカーを導入しましょう。部屋が狭い場合は、5インチ前後の小型モデルが扱いやすいです。詳しくはDTM向けスピーカーのおすすめで紹介しています。

6. あると便利な小物

見落としがちですが、次のような小物も最初のうちにそろえておくと作業が快適になります。

  • USBハブ・ケーブル:ノートパソコンはUSB端子が少ないため、MIDIキーボードとオーディオインターフェースを同時につなぐとすぐ足りなくなります。オーディオインターフェースはハブを通さず、パソコンに直接つなぐのが安定させるコツです。
  • ヘッドホン用の変換プラグ:モニターヘッドホンは標準プラグ(6.3mm)のものが多く、パソコンやスマホにつなぐときは3.5mmへの変換プラグが必要です。製品によっては付属しないので確認しましょう。
  • 外付けSSD:サンプルやプロジェクトのバックアップ用です。サンプルライブラリは容量が増えやすいので、内蔵ストレージを圧迫しないように外付けへ逃がすと安心です。

この記事の手順は FL Studio Template Pro に設定済みです。 詳細を見る →

【5万円前後が目安】最小構成:DAW+ヘッドホン

5万円前後の価格帯なら、「DAW+モニターヘッドホン」の最小構成がおすすめです。EDMは打ち込みが中心なので、この2つだけでも1曲を完成させられます。

機材構成例選んだ理由
DAWImage-Line FL Studio Producer Edition(ダウンロード版)EDM制作に必要な機能がそろい、アップデートも無料
ヘッドホンSony MDR-7506 または Sony MDR-CD900STどちらもスタジオで定番の密閉型モニターヘッドホン

MIDIキーボードがなくても、FL Studio のピアノロールにマウスで音符を置けば打ち込めます。PCのキーボードを鍵盤代わりに使う機能もあります。ピアノロールの使い方はピアノロールとは?で解説しています。

DAWを無料のものにすれば、浮いた予算で次の章の MIDIキーボードやオーディオインターフェースを先に買う、という組み方もできます。

【10万円前後が目安】標準構成:打ち込みと音質を両立

10万円前後の価格帯なら、DAWとヘッドホンに「オーディオインターフェース」と「MIDIキーボード」を加えた構成が、EDM制作の標準です。

機材構成例選んだ理由
DAWFL Studio Producer Edition5万円構成と同じ
ヘッドホンaudio-technica ATH-M50x または Sony MDR-CD900ST低域まで確認しやすい定番モデル
オーディオインターフェースFocusrite Scarlett Solo(第4世代) または Yamaha URX22CUSB-C接続の現行モデル。URX22C は Steinberg UR22C の後継で、Cubase AI が付属
MIDIキーボードAKAI Professional MPK Mini IV25鍵・パッド・ツマミ付きで机に置きやすい。ピッチ/モジュレーションホイールを搭載

Scarlett Solo(第4世代)はマイク入力1・楽器入力1の小型モデルです。歌やギターを2本同時に録りたいなら、2入力の Scarlett 2i2(第4世代) や URX22C を選びましょう。

この構成なら、ドラム・ベース・シンセを打ち込み、ヘッドホンでミックスまで進められます。ボーカルを録る予定があるなら、マイクも検討してください(マイクの選び方)。

サウンドハウスで MPK Mini IV を見る

【20万円前後が目安】本格構成:スピーカーでミックスまで仕上げる

20万円前後の価格帯なら、モニタースピーカーを加えて、ミックスやマスタリングまで自宅で仕上げられる構成にします。

機材構成例選んだ理由
DAWFL Studio Producer Edition(予算に余裕があれば上位エディション)付属プラグインが増える上位版も検討できる
ヘッドホンSony MDR-CD900ST + audio-technica ATH-M50x細部の確認用と低域の確認用で使い分ける
オーディオインターフェースYamaha URX22C32bit/192kHz対応。DSPエフェクトとループバック機能付き
モニタースピーカーYamaha HS5(2台)フラットな音で定番の5インチモデル。1台ずつの販売なので2台必要
MIDIキーボードNovation Launchkey 49 MK4 または MPK Mini IV両手で弾くなら49鍵、机が狭いなら25鍵
周辺機器スピーカーケーブル(TRS-XLR など)、スピーカースタンドやインシュレータースピーカーの高さと向きをそろえ、机の振動を抑える

余った予算は、Serum 2 などの有料シンセやサンプルパックに回すのがおすすめです。サンプルは有料サンプルパックの記事、無料で始めるなら無料VSTプラグインおすすめを参考にしてください。

サウンドハウスで Yamaha HS5 を見る

スピーカーの置き方で音は大きく変わる

スピーカーは、置き方を間違えると性能を発揮できません。購入したら次の3点を確認しましょう。

  1. 正三角形に置く:左右のスピーカーと自分の頭が、ほぼ正三角形になる位置に置きます。
  2. ツイーターを耳の高さに合わせる:高音を出す小さいユニット(ツイーター)が耳の高さに来るよう、スタンドやインシュレーターで調整します。
  3. 壁から少し離す:背面の壁に近すぎると低音がふくらみます。HS5 のように背面に低音の出口(バスレフポート)があるモデルは、特に壁との距離に注意します。

夜間で音を出せない時間帯はヘッドホン、昼間はスピーカー、と使い分けると、どちらか一方だけで判断するよりミックスの精度が上がります。ミックスの進め方はEDMのmixのやり方で解説しています。

3つの構成を比較

迷ったら「10万円前後の標準構成」から始め、ミックスに不満が出てからスピーカーを足すのが無駄のない順番です。

価格帯の目安そろう機材できること向いている人
5万円前後DAW+ヘッドホン打ち込み〜簡単なミックスまず1曲作ってみたい人
10万円前後+オーディオインターフェース+MIDIキーボード快適な打ち込み、低遅延での再生、録音継続して曲を作りたい人
20万円前後+モニタースピーカー+周辺機器ミックス・マスタリングまで自宅で仕上げるリリースを目指す人

上の価格帯は、2026年10月時点のサウンドハウスの販売価格を参考にした大まかな目安です。セールや在庫状況で大きく変わるので、合計額は必ず各商品ページで確認してください。

初心者がやりがちな機材選びの失敗

機材選びで多い失敗は「最初から全部そろえようとして、肝心の曲作りが進まない」ことです。次の点に気をつけましょう。

  • リスニング用ヘッドホンでミックスする:低音が強調されたヘッドホンだと、ベースを控えめにしすぎて、ほかの環境で物足りない音になります。
  • 部屋に対して大きすぎるスピーカーを買う:狭い部屋で大きなスピーカーを鳴らすと、低音が響いて判断を誤ります。まずは5インチ前後が無難です。
  • 中古のDAWライセンスを買う:FL Studio は、中古品やシリアルの転売を公式に禁止しています。公式サイトか正規の販売店で購入しましょう。
  • プラグインを買いすぎる:付属プラグインと無料VSTで、EDMの基本的な音作りは十分にできます。
  • 機材の接続でつまずく:オーディオインターフェースを買ったら、DAWのオーディオ設定で出力先をインターフェースに切り替えます。FL Studio なら「OPTIONS」→「Audio settings」で、ASIO ドライバー(Windows)を選びます。

機材がそろったら、まずは1曲を最後まで仕上げることが大切です。作り方の全体像はEDMの作り方 完全ガイド、FL Studio の基本はFL Studioの使い方で解説しています。

機材がそろったら最初の1か月でやること

機材を買っただけでは曲は完成しません。最初の1か月は、次の順で「1曲を最後まで作る」ことを目標にしましょう。

  1. 1週目:DAWの基本操作を覚える。ステップシーケンサーでドラムを組み、ピアノロールでメロディを打ち込みます(ステップ・シーケンサーとは?)。
  2. 2週目:8〜16小節のループを作る。キック・スネア・ベース・コード・メロディの5要素を、好きな曲を参考に作ります。
  3. 3週目:曲の構成に広げる。イントロ・ビルドアップ・ドロップの順に並べ、抜き差しで展開を作ります。
  4. 4週目:ミックスして書き出す。音量バランスを整え、WAVで書き出して、スマホやイヤホンなど別の環境でも聴き比べます。

完璧を目指すより、短くても1曲を完成させる経験のほうが上達につながります。コード進行に迷ったらEDMにおすすめのコード進行も参考にしてください。

よくある質問

ノートパソコンでもDTMはできますか?

できます。EDMは打ち込みが中心なので、メモリとCPUに余裕のあるノートパソコンなら十分に制作できます。音源やプラグインを多く使う場合は、メモリ容量を優先して選んでください。

オーディオインターフェースは最初から必要ですか?

打ち込みだけなら、最初はなくても始められます。ただし、再生時の遅延やノイズが気になったとき、スピーカーやマイクをつなぎたいときには必要になります。

MacとWindowsのどちらがいいですか?

FL Studio は Windows と Mac の両方に対応しているので、普段使い慣れている方で問題ありません。Logic Pro を使いたいなら Mac が必要です。

予算が限られているとき、どこにお金をかけるべきですか?

まずはDAWとヘッドホンを優先してください。DAWは長く使い続けるソフトで、ヘッドホンはすべての判断の基準になる機材だからです。MIDIキーボードやスピーカーは、後から買い足しても作業の流れを大きく変えずに済みます。

買う順番はどうすればいいですか?

DAW → ヘッドホン → MIDIキーボード → オーディオインターフェース → スピーカー、の順がおすすめです。曲を作りながら、不便を感じたものから足していきましょう。

まとめ

  • パソコン以外で最初に必要なのは、DAWとモニターヘッドホンの2つだけ
  • 5万円前後は最小構成、10万円前後は標準構成、20万円前後はスピーカーまでそろえた本格構成が目安
  • 価格は変動するので、購入前に必ず販売ページで確認する

次に読むなら、曲作りの始め方をまとめた曲作りの始め方、無料で音色をそろえる無料VSTプラグインおすすめがおすすめです。機材がそろったら、完成済みのプロジェクトを開いて構成やミックスを学べる FL Studio テンプレートも活用してください。

次の1曲を、今日完成させよう
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カテゴリー: スタジオ機材