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EDMを作るなら、リスニング用ではなく「モニターヘッドホン」を1台持っておくのがおすすめです。この記事では、DTMでEDMを作る人に向けて、モニターヘッドホンの選び方と、海外のプロデューサーに支持されてきた定番5機種を紹介します。結論から言うと、最初の1台なら、密閉型で扱いやすいaudio-technica ATH-M50xかbeyerdynamic DT 770 PRO(80Ω)が無難な選択です。

この記事でわかること

  • EDM制作にモニターヘッドホンが必要な理由
  • 選ぶときの4つのポイント(周波数特性・周波数域・密閉/開放・装着タイプ)
  • 定番モニターヘッドホン5機種の特徴と比較

ヘッドホンは買う必要があるのか?

EDMを作るうえで、ヘッドホンでのモニターは欠かせません。良質なモニターヘッドホンを選ぶと、スピーカーではできなかった次のようなことができます。

  1. 細かい音作りができる(ノイズやクリック、リバーブの余韻など、小さな音まで聴き取れる)
  2. イヤホン・ヘッドホンで聴くリスナー向けのミックス確認ができる

今は多くのリスナーがスマホとイヤホン・ヘッドホンで音楽を聴いています。部屋の音響を整えるのが難しい自宅制作では、ヘッドホンが一番信頼できる「ものさし」になることも多いです。まずはモニターヘッドホンを選ぶときのポイントを解説します。

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モニターヘッドホンを選ぶ4つのポイント

見るべきポイントは次の4つです。

  1. 周波数特性
  2. 周波数域(再生周波数帯域)
  3. 密閉型か開放型か
  4. On-ear か Over-ear か

順番に見ていきましょう。

周波数特性はフラットなものを選ぶ

ヘッドホンの周波数特性グラフの例

周波数特性グラフの例(高域が持ち上がっているタイプ)

周波数特性とは、ヘッドホンが出す低域・中域・高域の音量バランスのクセのことです。上の画像だと、高域に行くにつれて強調されているのがわかりますね。

ここで、低域が強められたヘッドホンでミックスしたとします。自分はヘッドホンによって「盛られた」低音を聴いているので、低音を控えめにしてしまいます。その結果、書き出した曲の低音は他の人の曲より小さくなってしまうのです。リスニング用の「低音が気持ちいいヘッドホン」でミックスして、他の環境で聴いたらスカスカだった、というのはよくある失敗です。

そういうわけで、低域・中域・高域がバランスよく出る、フラットな周波数特性のヘッドホンが制作には向いています。

周波数域は20Hz〜20,000Hzが出ていればOK

周波数域とは、ヘッドホンが何Hz〜何Hzまで鳴らせるかを表す数値です。Equipboardには、以下のように書いてあります。

Humans can generally hear from 20Hz all the way to 20,000 Hz. …(略)… Some headphones have a frequency response that spans beyond that which humans can hear (5 to 35,000 Hz for example). This does not make their sound quality better.

Equipboard – Top Studio Headphones for Music Production – January 2017

人間に聞こえる周波数はおよそ20Hz〜20,000Hz。それを超える周波数を出せても、音質が良くなるわけではない、ということです。つまり、20Hz〜20,000Hzがしっかり出ているかを確認すれば十分です。

ちなみに、EDMでは40〜110Hzあたりの帯域がかなり重要です。踊りたくなるグルーヴ感を担っているのが、この低音域だからです。ここが聴き取りにくいヘッドホンを選ぶときは注意しましょう。

密閉型か開放型か

密閉型と開放型ヘッドホンの比較

Equipboard – Top Studio Headphones for Music Production – January 2017

上の画像では、左が密閉型、右が開放型です。それぞれのメリットをまとめます。

タイプメリットデメリット
密閉型周りの音に邪魔されない/音漏れしにくい/録音にも使える低音がこもりやすく、長時間だと蒸れやすい
開放型(半開放型)音場が広く自然に聴こえる/低音が強調されにくく、静かな環境なら正確にモニターできる音漏れする/周りの音が入る

まとめると、静かな部屋で制作するなら開放型のほうがより正確なモニタリングができます。一方、家族と同じ部屋で作る・夜間に作る・ボーカル録りもする、という人は密閉型が便利です。迷ったら、まずは密閉型を1台持っておくと使い道が広いです。

On-ear か Over-ear か

On-earとOver-earヘッドホンの比較

Equipboard – Top Studio Headphones for Music Production – January 2017

上の画像では、左がOn-ear(耳の上に乗せるタイプ)、右がOver-ear(耳をすっぽり覆うタイプ)です。

  • On-earのメリット:コンパクトで持ち運びに向いている
  • Over-earのメリット:遮音性が高く、耳にフィットするので、より正確にモニターできる

移動中に作業したい人以外は、Over-earを選ぶほうがモニターの精度は上がります。長時間の作業では、イヤーパッドの素材や側圧(締め付けの強さ)も快適さに大きく影響します。

選び方のまとめ

EDM制作に向いているヘッドホンは、次の条件を満たすものです。

  1. 低域・中域・高域がバランスよく出る、フラットな周波数特性
  2. 20Hz〜20,000Hzがしっかり出ている
  3. 静かな部屋なら開放型、音漏れや録音が気になるなら密閉型
  4. 移動中に作りたい人以外はOver-ear

EDM制作におすすめのモニターヘッドホン5選

ここからは、おすすめの5機種を紹介します。この記事を最初に書いた2017年当時、海外の機材サイトEquipboardの投票で上位だった機種で、2026年現在もすべて現行で販売されている定番モデルです(順位は当時の投票数順)。価格はセールなどで変動するので、販売ページで確認してください。

機種タイプ特徴
audio-technica ATH-M50x密閉型・Over-ear迫力とバランスの両立。ケーブル着脱式
beyerdynamic DT 770 PRO(80Ω)密閉型・Over-earベロアのイヤーパッドで長時間でも快適
beyerdynamic DT 880 PRO半開放型・Over-ear自然な音場。250Ωなので出力に余裕のある機材向け
Sony MDR-7506密閉型・Over-ear軽量で折りたたみ可能。ロングセラー
Sennheiser HD 280 PRO密閉型・Over-ear遮音性が高く、録音にも使いやすい

1位 audio-technica ATH-M50x

2017年当時の投票数:75
audio-technica ATH-M50x

密閉型・Over-ear

世界中のスタジオや配信者に使われている、定番中の定番です。低音にしっかり迫力がありつつ、全体のバランスも良いので、EDMの制作にもリスニングにも使いやすい1台です。ケーブルが着脱式で、断線したときに交換できるのもポイントです。

サウンドハウスで見る

2位 beyerdynamic DT 770 PRO(80Ω)

2017年当時の投票数:41
beyerdynamic DT 770 PRO 80Ω

密閉型・Over-ear

ドイツのbeyerdynamicによる、世界中のスタジオで使われてきた密閉型モニターです。ベロア素材のイヤーパッドで、長時間の作業でも疲れにくいのが魅力です。低音はしっかり出るタイプなので、キックやベースの確認がしやすいです。インピーダンス違いのモデルがありますが、パソコンやオーディオインターフェースにつなぐなら80Ωが扱いやすいです。

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3位 beyerdynamic DT 880 PRO

2017年当時の投票数:27
beyerdynamic DT 880 PRO

半開放型・Over-ear

DT 770 PROの兄弟機で、半開放型です。密閉型より音場が広く自然で、ミックスやマスタリングのチェック向きです。インピーダンスが250Ωと高いので、十分な音量を出すには出力に余裕のあるオーディオインターフェースやヘッドホンアンプがあると安心です。

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4位 Sony MDR-7506

2017年当時の投票数:24
Sony MDR-7506

密閉型・Over-ear

海外のスタジオや放送現場で長く使われているロングセラーです。折りたたみ式で軽く、持ち運びもしやすいです。日本の定番であるMDR-CD900STと比べると、低音がやや豊かで柔らかい音のチューニングになっています。

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5位 Sennheiser HD 280 PRO

2017年当時の投票数:19
Sennheiser HD 280 PRO

密閉型・Over-ear

遮音性の高さが特徴の密閉型モニターです。周りの音が入りにくく、音漏れもしにくいので、ボーカル録りや騒がしい環境での作業に向いています。現在販売されているのはヘッドバンドなどを改良した新しいバージョンです。側圧(締め付け)が強めなので、長時間使うなら休憩をはさみましょう。

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番外編:日本のスタジオ定番 Sony MDR-CD900ST

日本のレコーディングスタジオで定番になっているのが、Sony MDR-CD900STです。色付けの少ない音で、細かいノイズや音の粒立ちのチェックに向いています。2019年に登場したMDR-M1STとは音作りが異なるため、両方が併売されています。国内のスタジオで作業する機会がある人は、一度聴いておくと良いでしょう。

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よくある質問

ヘッドホンとスピーカー、どちらを先に買うべきですか?

予算が限られているなら、部屋の影響を受けにくいヘッドホンから始めるのがおすすめです。最終的には両方で確認できると理想的です。スピーカーはDTMでEDMを作るスピーカーのおすすめで紹介しています。

Bluetooth(ワイヤレス)ヘッドホンで制作してもいいですか?

Bluetoothは音の遅延や圧縮があるため、打ち込みやミックスには有線のモニターヘッドホンがおすすめです。完成した曲を「リスナーと同じ環境で聴く」チェック用に使うのはアリです。

インピーダンスの高いヘッドホンは何が違うのですか?

インピーダンスが高いほど、同じ音量を出すのにより大きな出力が必要になります。パソコン直挿しやスマホ中心なら低め(80Ω以下など)が扱いやすく、250Ωクラスはオーディオインターフェースやヘッドホンアンプと組み合わせるのが前提です。インターフェース選びはオーディオインターフェースの記事を参考にしてください。

まとめ

  • EDM制作には、フラットな周波数特性のモニターヘッドホンを選ぶ
  • 静かな部屋なら開放型、音漏れや録音が気になるなら密閉型
  • 迷ったら、最初の1台はATH-M50xかDT 770 PRO(80Ω)が無難

ヘッドホンが決まったら、次はミックスに挑戦してみましょう。

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