EDMにおすすめのコード進行

EDMのコード進行は、「1-5-6-4」などの定番進行を土台にして、リズムや音の重ね方で個性を出すのが近道です。この記事では、世界でよく使われるコード進行5つと、そこから自分だけのコード進行を作る方法を解説します。コード進行で毎回手が止まってしまう方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • コード進行とは何か、「1-5-6-4」などの数字の読み方
  • 人気のコード進行5つと、それぞれの雰囲気(Cメジャーでの実例つき)
  • 定番進行をアレンジして、オリジナルのコード進行を作る手順
  • FL StudioやHookpadなど、コード作りを助けるツール

「コードってそもそも何?」「スケールやキーという用語がわからない」という方は、先にこちらの記事をご覧ください。

コード進行=曲の骨格

コード進行は曲の骨格

コード進行とは、曲の「繰り返し(ループ)」を作る骨格です。楽曲の多くは、同じフレーズを何度も繰り返してできています。EDMでは、2〜5個ほどのコードを、1小節に1つずつ(4〜8小節で1周)鳴らすパターンがよく使われます。

1曲の中でずっと同じ進行を続けることもあれば、サビ(ドロップ)だけ進行を変えて雰囲気を変えることもあります。コード進行が決まると、その上にメロディやベース、ドラムを足していけるので、曲の細部がどんどん完成していきます。

絵にたとえるなら、コード進行は下書きのスケッチです。そのあとに描くしっかりした線や色が、メロディやドラムにあたります。

コード進行の数字の読み方

「1-5-6-4」のような数字は、スケールの何番目の音から作ったコードか(度数)を表しています。数字で覚えておくと、どのキーにもそのまま応用できるので便利です。

たとえばCメジャー・スケールなら、番号は次のように決まります。

番号音Cメジャーで使うコード響き
1ド(C)C明るい・安定
2レ(D)Dmやや暗い
3ミ(E)Em切ない
4ファ(F)F明るい・広がり
5ソ(G)G明るい・次へ進みたくなる
6ラ(A)Am暗い・エモい
7シ(B)Bdim不安定(EDMではあまり使わない)

つまりCメジャーの「1-5-6-4進行」は、C → G → Am → Fという意味です。EメジャーならE → B → C#m → Aになります。コード自体は違っても、進行の雰囲気は同じです。

スケールの音だけで作れるコードは基本的に7種類しかありません。そのため、人気のコード進行はある程度決まっています。

最も人気のコード進行5選

結論から言うと、まず試すべきは「1-5-6-4進行」です。Hooktheoryでは膨大な数の人気曲のコード進行が分析されていて、その中でも1-5-6-4は最もよく使われる進行の1つです。以下、Cメジャーでの実例と雰囲気をまとめます。

進行Cメジャーでの例雰囲気
1-5-6-4C → G → Am → F王道。明るく前向き
1-5-6-3-4C → G → Am → Em → F切なさが加わる
6-5-4-5Am → G → F → G暗めで疾走感がある
1-6-4-5C → Am → F → G懐かしく、ポップ
1-4-6-5C → F → Am → G爽やかで開放的

①1-5-6-4進行

1-5-6-4進行のピアノロール

ポップスからEDMまで、最も多く使われている王道の進行です。明るく前向きな響きで、どんなメロディも乗せやすいのが特徴です。同じ4つのコードを「6-4-1-5」(Am → F → C → G)の順で始めると、一気にエモーショナルな響きになり、EDMのドロップでもよく使われます。

②1-5-6-3-4進行

1-5-6-3-4進行のピアノロール

1-5-6-4の途中に「3(Em)」を挟んだ進行です。3のコードが入ることで、少し切なく、ドラマチックな雰囲気になります。コードの数が5つになるので、1小節に1コードなら、最後のFを2小節伸ばして8小節で1周にすると収まりが良くなります。

③6-5-4-5進行

6-5-4-5進行のピアノロール

マイナーコード(Am)から始まる、暗めで疾走感のある進行です。最後の5(G)が「また最初に戻りたくなる」響きなので、ループさせても飽きにくいのが特徴です。Progressive HouseやTrance系の、少し哀愁のある曲に向いています。

④1-6-4-5進行

1-6-4-5進行のピアノロール

1950年代のポップスから使われている、懐かしさのある進行です。明るさと切なさのバランスが良く、ポップ寄りのEDMやFuture Bassにも合います。

⑤1-4-6-5進行

1-4-6-5進行のピアノロール

1から4へ進むときの開放感が特徴の、爽やかな進行です。Tropical Houseのような明るく軽い曲に向いています。

EDMでよく使われるコード進行を調べる方法

Hooktheoryのエレクトロニック曲の分析一覧

好きなEDMの曲のコード進行は、Hooktheoryのジャンル別ページで調べられます。Hooktheory : Electronicを見ると、とてつもない数のEDMが分析されています。お気に入りの曲を探してみると、きっと発見があるはずです。

調べてみると、ヒット曲の多くが上で紹介した5つの進行か、その順番を入れ替えたものでできていることに気づくと思います。「進行そのもの」よりも「音色・リズム・メロディ」で個性が決まっていることがわかると、コード進行選びがぐっと気楽になります。

オリジナルのコード進行の作り方

オリジナルのコード進行は、定番進行を1か所だけ変えるところから始めるのがおすすめです。ゼロから作るより、ずっと失敗が少なくなります。具体的には次の手順で進めます。

  1. キーを決める:最初は白鍵だけで済むCメジャー(またはAマイナー)がおすすめです。
  2. 定番進行を1つ選ぶ:上の5つから、曲の雰囲気に合うものを選びます。
  3. 始まりのコードを変える:1-5-6-4を6-4-1-5にするように、同じコードでも始める位置を変えるだけで印象が変わります。
  4. 1つだけコードを入れ替える:たとえば4(F)を2(Dm)に変えるなど、同じスケール内の別のコードに置き換えてみます。
  5. テンション(7th・sus)を足す:Am7、Fmaj7、Gsus4 のように音を足すと、Future Bassらしいおしゃれな響きになります。
  6. リズムと転回形を工夫する:コードを刻むリズムや、構成音の並び(転回形)を変えて、音の動きを滑らかにします。

「既存の進行を使うのはパクリでは?」と心配する方もいるかもしれません。でも、コード進行は多くの曲で共有されている「型」なので、同じ進行を使うこと自体は珍しくありません。気をつけたいのは、メロディや特徴的なフレーズまで似せてしまうことです。

コード作りを助けるツール

コード進行のアイデア出しには、HookpadとFL Studioのピアノロールが便利です。

Hookpad

Hookpadは、Hooktheoryが提供するWebブラウザ上の作曲ツールです。クリック操作でさまざまなコードやコード進行を試せます。機能制限つきの無料版があり、MIDIの書き出しなどは有料版の機能です(料金は公式の料金ページで確認してください)。

Hookpadの操作画面

複雑なコードもワンクリックで鳴らせるので、曲作りを始める前のインスピレーション探しにもおすすめです。

Hookpadのコード選択パネル

FL Studioのピアノロール

FL Studioのピアノロールには、スタンプ(Stamp)という、選んだコードを一発で入力できる機能があります。いろいろなコードをペタペタと並べてみて、気持ちいいものを探すのも良い方法です。

FL Studioピアノロールのスタンプ機能

さらに、現行のFL Studioには、コード進行を自動で作れるChord Progressionツールも用意されています。FL Studio 2025ではコード進行に合わせたベースラインの生成にも対応しました。生成された進行をそのまま使うのではなく、上の手順で1か所だけ変えてみると、自分らしい進行に近づきます。ピアノロールの基本操作は「FL Studioのピアノロールとは?」で解説しています。

また、FL Studio テンプレート Proでは、ピアノロールの背景にEDM向けのスケールがあらかじめハイライトされています。「全然コード進行が作れない」と感じている方でも、白い背景の部分にノートを打ち込んでいけば、スケールから外れずにコードを組めます。

FL Studio テンプレート Pro

この記事の手順は FL Studio Template Pro に設定済みです。 詳細を見る →

よくある質問

EDMで一番よく使われるコード進行は?

1-5-6-4進行(Cメジャーなら C → G → Am → F)と、その始まりを変えた6-4-1-5進行(Am → F → C → G)です。まずはこの2つを試してみてください。

コードは何小節ごとに変えればいいですか?

EDMでは1小節に1コードが基本です。4つのコードなら4小節、5つなら最後のコードを伸ばして8小節で1周にすると収まりが良くなります。

他の曲と同じコード進行を使っても大丈夫?

コード進行は多くの曲で共通して使われる「型」で、同じ進行を使うのはごく一般的です。ただし、メロディや特徴的なフレーズまで似せるのは避けましょう。

まとめ

  • コード進行は曲の骨格。数字(度数)で覚えれば、どのキーにも応用できる
  • まずは1-5-6-4、6-5-4-5、1-6-4-5などの定番進行から試す
  • オリジナルにしたいときは、始まりのコードを変える・1つ入れ替える・テンションを足す

コード進行が決まったら、次はメロディと音色作りです。「曲作りの始め方」「美しいPadサウンドを作るコツ」「プラック音の作り方」もあわせて読んでみてください。それでは、みなさんが良いコード進行で楽曲制作できることを祈っています。Happy Producing<3

次の1曲を、今日完成させよう
FL Studio Template Pro
FL Studio Template Pro

ミックスとマスタリングのチェーン、アレンジ、オートメーションを設定済みのFL Studio用プロジェクトテンプレート。メロディを打ち込むところから始められます。

  • FL Studio 純正プラグインだけで動作(追加購入不要)
  • 4つのマクロノブで曲全体の質感を調整
  • 購入後すぐダウンロード・アップデート無料
BOOTHで詳細を見る(¥4,980)