EDMの音質は、使うサンプル(音素材)で大きく変わります。この記事では、DTMでEDMを作る人に向けて、今も使える有料サンプルパックのストアとメーカーを12個、サブスクと単品購入の違いや選び方とあわせて紹介します。結論から言うと、まずはサブスク型(SpliceかLoopcloud)で幅広く試し、気に入ったメーカーのパックを単品で買い足すのが一番ムダの少ない方法です。

この記事でわかること

  • サンプルパックとは何か、なぜEDMで重要なのか
  • サブスク型・単品購入型・メーカー直販の違い
  • 2026年も現役のおすすめストア/メーカー12選
  • ライセンスやContent IDなど、買う前に知っておきたい注意点

サンプルパックとは?EDMで重要な理由

サンプルパックとは、キックやスネアなどのドラム、ループ、環境音、FX(ライザーやインパクトなど)の音源を詰め込んだ素材集のことです。EDM制作では、絵を描くときの絵の具くらい大事なものです。MonstercatなどからリリースしているVarienは、2012年にこう語っていました。

“If the source of what you’re working with is shit, by the time you’re done polishing it up, all you are left with is polished shit.” – Varien, 2012

(元の素材がダメなら、どれだけ磨いても「磨かれたダメなもの」にしかならない、という意味です。)

・・・笑。でもそれだけ自分の持っている音源は重要だということです。ミックスやマスタリングでどれだけ頑張っても、元のキックやスネアの質を超えることはできません。「Vengeance持ってるしいいや〜」という方も、ぜひ見ていってください。新たな発見があるかもしれません。

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有料サンプルの買い方は3タイプ

有料サンプルの入手方法は、大きく「サブスク型」「単品購入型ストア」「メーカー直販」の3つに分かれます。それぞれの特徴は次のとおりです。

タイプ代表例向いている人
サブスク型(月額クレジット/ポイント制)Splice、Loopcloudいろいろなジャンル・メーカーの音を少しずつ試したい人
単品購入型ストアADSR Sounds、Loopmasters欲しいパックが決まっていて、まとめて手元に置きたい人
メーカー直販Cymatics、Vengeance、Goldbaby など特定のメーカーの音が好きで、セールや限定パックを狙いたい人

なお、2019年頃まで使えたNative InstrumentsのSounds.comは2023年にサービスを終了しています。古い記事でSounds.comをすすめているものがあっても、今は利用できないので注意してください。

おすすめの有料サンプルパック・ストア12選

ここからは、筆者が実際にお世話になってきたサイトを中心に、2026年も現役のストアとメーカーを紹介します。価格やプランはセールや為替で変わるので、最新情報は各公式サイトで確認してください。

1. Splice(サブスク型)

Splice のロゴ

一言で言えば、サンプルパック界のSpotifyです。月額制で毎月クレジットが付与され、1サンプル単位でダウンロードできます。有名プロデューサーのオリジナルパックや、多数のサンプルメーカーのパックがまとめて検索できるので、素材集め自体がかなり楽になります。

  • プランはクレジット数の違いで複数あり、年額プランもあります(詳細は公式のプランページで確認)。
  • Ableton Live 12.3以降はDAW内からSpliceと連携できるなど、DAWとの連携も進んでいます。
  • 一度ダウンロードしたサンプルは、解約後も手元で使い続けられます(利用条件は公式で確認してください)。

Splice 公式サイト

2. Loopcloud(サブスク型)

Loopcloudは、Loopmastersが運営するポイント制のサブスクです。専用アプリ上でサンプルを試聴しながら、キーやテンポを合わせた状態でプレビューできるのが便利です。月額プランには14日間の無料トライアルがあり、年額プランは2か月分が無料になる設定です(2026年10月時点の公式案内)。Spliceと比べて「アプリ内で編集しながら探したい」人に向いています。

Loopcloud 公式サイト(プラン)

3. ADSR Sounds(単品購入型)

ADSR Soundsは、サンプルパックやシンセのプリセットを単品で購入できるストアです。サブスクに縛られず、買ったパックを丸ごと手元に置けるのがメリットです。セールの頻度も高いので、欲しいパックをウィッシュリストに入れておき、値下がりしたときに買うのがおすすめです。

ADSR Sounds 公式サイト

4. Cymatics

Cymatics のロゴ

みんな使ってる、Cymatics。後発ながらあっという間にEDM界で定番になったメーカーです。特徴は何と言っても、そのまま曲に入れても使える即戦力レベルのクオリティ。無料パックも配布しているので、まずはそちらで音の傾向を確かめるのがおすすめです。気になる方はSoundCloudも聴いてみてください。

Cymatics 公式サイト

5. Vengeance

Vengeance のロゴ

紹介する必要ない!と言われるかもしれませんが、一応。Vengeanceのサンプルパックです。キック、スネア、FXなど、EDM制作に必要なものはひと通り揃っています。定番すぎて、聴けば「これVengeanceのキックだ」と分かってしまうことも。そろそろ古さを感じるシリーズもありますが、新しいパックも出ていて、今も心強い味方です。

Vengeance Sound 公式サイト

6. Loopmasters

Loopmasters のロゴ

Loopmastersは、多数のレーベルのサンプルパックを扱う総合カタログサイトです。EDMプロデューサーなら一度はお世話になると思います。とにかく品揃えの数が半端じゃないです笑。サイトの中をぐるぐる見て回るだけでも楽しいです。前述のLoopcloudも同じ運営元なので、単品で買うか、Loopcloudで使うかを選べます。

Loopmasters 公式サイト

7. Prime Loops

Prime Loops のロゴ

Prime Loopsもサンプルパックの総合カタログサイトです。ジャンルの幅が広く、有料でサンプルパックを探したいときにはチェックしておきたいサイトです。

Prime Loops 公式サイト

8. Zenhiser

Zenhiser のロゴ

Zenhiserも、Prime Loopsと並ぶサンプルパックの総合サイトです。ハウス系からトラップ、ダウンテンポまで新作のリリースが多いのが特徴です。筆者はRameses Bが初めてサンプルパックを出したときに衝動買いして、お世話になりました。

Zenhiser 公式サイト

9. Freshly Squeezed Samples

Freshly Squeezed Samples のロゴ

Freshly Squeezed Samplesは、トランスやプログレッシブ系など、爽やかなジャンルを得意とするサンプルメーカーです。クリスピーでクリアな音が多く、シンセのプリセットやMIDIも充実しています。トランスやプログレッシブ・ハウスを作りたい人に特におすすめです。

Freshly Squeezed Samples 公式サイト

10. Sample Magic

Sample Magic のロゴ

Sample Magicも多くのプロデューサーが使ってきた定番メーカーです。2018年にSpliceに買収されており、現在はSplice上でパックを探すのが手軽です。Porter Robinsonも過去のAMA(Redditの質問企画)で、ドラムについてこう答えていました。

what is your favorite drum machine, being used the most on the new album?…(略)… – …i think as far as “alternative”-sounding music goes, the “sample magic” stuff is a better bet than vengeance for drums. ソースリンク

「オルタナティブ寄りの音楽なら、ドラムはVengeanceよりSample Magicのほうがいい」という趣旨です。王道EDMから少し外れた音を探している人は、チェックしてみてください。

11. Wave Alchemy

Wave Alchemy のロゴ

老舗のサンプルメーカーです。Wave AlchemyはDAWに付属サンプルを提供したこともある、信頼度の高いメーカーです。ドラムマシン系のサンプルやソフト音源も出していて、全体的にビンテージ感・アナログ感のある音が多いので、テクノやハウス、Hip-Hop系を作りたい方に特におすすめです。

Wave Alchemy 公式サイト

12. Goldbaby

Goldbaby のロゴ

GoldbabyもWave Alchemyと並んで老舗感のあるサンプルメーカーです。ビンテージのドラムマシンやテープを通した音など、加工しすぎていない素直な音が多く、EDMプロデューサーでGoldbabyを使う人は「Uncolored(=色付けされていない)」な音が好きな人が多いです。自分で一から音作りしたい、という方に特におすすめしたいですね。

Goldbaby 公式サイト

失敗しないサンプルパックの選び方

サンプルパック選びで大切なのは、「作りたいジャンルに合っているか」と「ライセンス条件」の2つです。筆者の経験上、よくある失敗は「セールでまとめ買いしたのに、結局ほとんど使わない」パターンです。次のポイントを押さえておきましょう。

  1. ジャンルで絞る:Future Bass、Future House、Techno など、作りたいジャンル名で探すと外れが減ります。
  2. デモを必ず聴く:デモ曲は加工済みのことも多いので、可能なら個別サンプルの試聴もチェックします。
  3. ワンショット中心かループ中心か:音作りを学びたいならワンショット(単発音)、スピード重視ならループが便利です。
  4. ライセンスを確認する:多くは「ロイヤリティフリー(曲に使ってリリースしてOK)」ですが、サンプルそのものの再配布や、素材集としての販売は禁止されています。
  5. Content IDに注意する:誰でも買えるループをほぼそのまま使った曲は、YouTubeのContent IDに登録できないのが一般的です。配信サービス(ディストリビューター)ごとの条件を確認しましょう。

ドラムの音作りについては、ドラムの音作りのコツ11選やキックの音作りのコツ5選も参考にしてください。

よくある質問

無料のサンプルパックだけでは足りませんか?

最初は無料パックでも十分曲は作れます。ただ、ジャンルに特化した音や、キック・スネアの選択肢を増やしたくなったら有料パックの出番です。無料のおすすめは無料サンプルパックのリストにまとめています。

SpliceとLoopcloudはどちらがいいですか?

1サンプル単位で幅広く探したいならSplice、アプリ内でキーやテンポを合わせて試しながら探したいならLoopcloudが向いています。どちらも無料期間や月額プランで試してから決めるのがおすすめです。

サンプルを使った曲をSpotifyなどで配信しても大丈夫ですか?

正規に購入したロイヤリティフリーのサンプルなら、曲の一部として使って配信するのは一般的に問題ありません。ただし条件はメーカーごとに違うので、各パックのライセンス表記を必ず確認してください。

まとめ

  • サンプルの質は曲の質に直結する。まずはSpliceかLoopcloudで幅広く試すのが効率的
  • 気に入ったメーカーが見つかったら、ADSR Soundsやメーカー直販で単品を買い足す
  • ライセンス(再配布不可)とContent IDの扱いは購入前に確認する

今回紹介したサイトの中からサンプルを選んだなら、スタート地点はプロと変わりません。あとはそれをどう使うか、です。あわせて以下の記事も参考にしてください。

筆者のサンプルパック「EDM Starter Kit Vol.1」

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