
みなさんこんにちは。EDM Matrixです。今回は、爽やかでありながら4つ打ちで気持ちよく踊れるEDMジャンル「Progressive Trance(プログレッシブ・トランス)」を解説します。結論から言うと、Progressive TranceはProgressive Houseの展開の美しさに、Tranceの壮大なシンセとエネルギーを足したジャンルです。特徴と作り方のポイント、おすすめの曲とアーティストを紹介します。
この記事でわかること
- Progressive Tranceとは何か、Progressive Houseとの違い
- Progressive Tranceの音の特徴と、作り方のポイント
- おすすめの曲・アーティスト・レーベル

Progressive Tranceとは何か?
まずは上のSpotifyのプレイリストを聴いてみてください。前回の記事、
で紹介した曲よりも、少し激しさとエネルギーが増したテイストなのが分かると思います。Progressive Tranceは、Tranceの中でもじわじわと盛り上がっていく展開を重視したスタイルです。派手なドロップで一気に爆発するというより、メロディとシンセの重なりで感情を高めていくのが魅力です。
Progressive Tranceの特徴
- 激しいSaw Bass(ノコギリ波のベース)
- 大きなリバーブのかかったSupersaw
- 128BPM付近での4つ打ち(曲によってはもう少し速め)
- BellやPianoでの美しいメロディ
- パンチのあるKickとSnare
- 前に進んでいくようなコード進行
Progressive Houseとの違い
| Progressive House | Progressive Trance | |
|---|---|---|
| テンポ | 124〜128BPM前後 | 128BPM前後〜やや速め |
| 雰囲気 | 温かく、グルーブ重視 | 壮大で、高揚感が強い |
| シンセ | プラックやピアノが中心 | Supersawやアルペジオが前に出る |
| ベース | グルーブを作る | Sawの太いベースや、細かく刻むベースで推進力を出す |
※ジャンルの境界はあいまいで、同じ曲がどちらにも分類されることがあります。あくまで傾向として参考にしてください。
この記事の手順は FL Studio Template Pro に設定済みです。 詳細を見る →
Progressive Tranceの作り方のポイント
このジャンルを作ってみたい方向けに、押さえたいポイントをまとめます。
- コード進行で感情を作る:マイナーキーで、明るさと切なさが混ざる進行がよく合います。EDMにおすすめのコード進行も参考にしてください
- Supersawは広く、リバーブは深く:コードを鳴らすSupersawは、左右に広げてリバーブを深めにかけると、壮大な空気感が出ます。広げ方はステレオイメージの広げ方で解説しています
- サイドチェーンでうねりを出す:ベースやSupersawにサイドチェーンをかけて、キックとのグルーブを作ります。リバーブにかける応用技もこのジャンルの定番です(サイドチェーンのやり方)
- ビルドアップは長めに:フィルターやオートメーションで、少しずつ明るく、厚くしていきます
シンセの音作りは、リードの作り方やプラックの作り方も参考になります。
このジャンルで使いやすいシンセ
Supersawや太いSaw Bassを作るなら、次のようなシンセが使いやすいです。
- Serum 2(Xfer Records):ウェーブテーブルシンセの定番。Supersawもベースも1台で作れます
- Vital:無料のBasicプランでもシンセの機能はすべて使えるので、最初の1台に向いています
- FL Studio純正のシンセ:追加費用なしで、Supersawやパッドの音作りを始められます
Supersawは、ボイス数(同時に重ねる音の数)とデチューン(音程のずれ)を増やすほど厚く広がります。ただし広げすぎると、ほかの音が埋もれるので、EQで低域を整理しておきましょう。シンセの選び方はおすすめのシンセサイザー音源、Serumの基本はSerumの使い方で紹介しています。
よくある曲の構成
Progressive Tranceは、DJがつなぎやすいように8小節・16小節単位で展開が変わる構成が一般的です。曲によって違いますが、典型的な流れは次のとおりです。
| パート | 内容 |
|---|---|
| イントロ | キックとパーカッション中心。DJがつなぎやすいよう、シンプルに始まる |
| ブレイクダウン | キックが抜け、パッドやピアノでメインのコードとメロディを聴かせる |
| ビルドアップ | フィルターを開き、スネアロールやライザーで少しずつ盛り上げる |
| メイン(ドロップ) | Supersawとベース、キックが一斉に鳴り、メロディを全開で聴かせる |
| アウトロ | 要素を減らし、次の曲につなぎやすい形で終わる |
好きな曲を1曲選び、どこで何の音が入ってくるかをメモしながら聴くと、構成の作り方がよく分かります。小節数を数えるだけでも、アレンジの勉強になりますよ。各パートの作り方は、イントロ、ビルドアップ、ドロップの記事で解説しています。
チェックしておきたいレーベル
このジャンルをさらに深く知りたい方は、次のレーベルをチェックしてみましょう。
- Anjunabeats:Above & Beyondが立ち上げたレーベル。Progressive Tranceを代表する存在です
- Monstercat Silk(旧Silk Music):Progressive系のメロディアスな曲を中心にリリースしているレーベル
- Enhanced:Progressive Trance系の曲を多くリリースしているレーベル
レーベルのプレイリストを聴き込むと、そのジャンルらしい音やアレンジの傾向がつかめます。曲作りの参考にもなりますよ。
Progressive Tranceのおすすめ曲・アーティスト4選
それでは、おすすめのProgressive Tranceの曲とアーティストを紹介します。
Xanwow – Desire
Audien – Wayfarer
ilan Bluestone – Spheres
上で紹介したレーベル、Anjunabeatsからリリースされた曲です。
Wisp X – Wake
4曲とも、上で紹介した特徴(Saw Bass、広いSupersaw、4つ打ち、メロディ)を意識しながら聴き比べてみてください。ジャンルの「らしさ」がつかみやすくなります。
よくある質問
Progressive TranceとUplifting Tranceは何が違いますか?
どちらもTranceの一種ですが、Uplifting Tranceはテンポが速めで、長いブレイクから一気に盛り上がる派手な展開が特徴です。Progressive Tranceは、テンポがやや落ち着いていて、少しずつ盛り上げていく展開を重視しています。
FL StudioでもProgressive Tranceは作れますか?
作れます。Supersawを作れるシンセとリバーブ、サイドチェーンがあれば、基本的な音はそろいます。純正プラグインだけでも始められます。
まとめ
- Progressive Tranceは、じわじわ盛り上がる展開とTranceの壮大なシンセが魅力のジャンル
- 音の特徴はSaw Bass、広いSupersaw、128BPM前後の4つ打ち、美しいメロディ
- Anjunabeatsなどのレーベルを聴き込むと、ジャンルの傾向がつかめる
近いジャンルとして、Progressive HouseやFuture Houseの記事もあわせて読んでみてください。

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