EDMで一番重要な音は何かと聞かれたら、間違いなくKickと答える人は多いでしょう。なぜならKickは、
- 曲中で最も頻繁に聞く音
- 低音〜高音までの周波数を全て含む
- リズム感・グルーブ感を決定する
からです。今回の記事では、どうすればパンチがあって、タイトなキックサウンドを作ることができるのか、海外のプロが普段使う技を、全て解説していきます。
【FL Studio テンプレート Pro】
お金なし・人脈なし・時間なしのアマチュアでも、プロのレーベルに採用される楽曲を作れるFL Studioのテンプレート。
目次
高品質なサンプルを使う
これは以前の記事である、
でも紹介したことですが、まずは必ず、サンプルが高品質なものかどうかを確認しましょう。キックの音の80%はこのステップで決まります。高品質なサンプルとは、必ずしも有料という意味ではありません。無料でも、そのジャンルにあった音で、WAVファイルならば問題ありません。Splice.comやCymaticsで、だいたい自分のジャンルやイメージに近い音を10個以上は探しておきます。そして実際曲を作りながら、入れ替えてベストなサンプルを探します。
さらに詳しいサンプルパックの情報は以下の記事を参考にして下さい。
- おすすめサンプルパック集 (有料のみ)
- おすすめサンプルパック集 (無料のみ)
ピッチを合わせる
次は、ドラムのピッチを合わせます。前提知識ですが、どんな楽曲にも大抵、「キー」があります。そしてその「キー」にない音を鳴らすと、人間は音が「外れた」と感じます。ピッチ合わせは主にスネア・トムなどでやると思われがちですが、できれば他のKickやHatでもやることが望ましいです。ピッチは曲のキーのルート音か、5thの音にしておきます。ピッチを合わせるとき、周波数を解析出来ておすすめなのが、アナライザープラグインです。アナライザーについては、
で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。また、上の動画では、DYROがドラムをチューニングする方法を解説していますので、動画で見たい方はどうぞ。
EQ/コンプの設定
↑EQ設定
まずはEQの設定ですが、上のようにハイパス・フィルターを25Hz、ローパス・フィルターを15,000〜20,000Hzにかけます。こうすることで、人にはほとんど聞こえないノイズをカットすることができ、最終的なマスターの音圧が上がります。
↑コンプ設定
次にコンプレッサーの設定ですが、レシオを4:1,アタックを16ミリ秒,リリースを85ミリ秒,make-up gainを4dBに設定します。もちろんこれはスタートポイントで、あなたの感覚で後から細かく調節してほしいのですが、基本的にKickは強めにコンプをかけた方が、後でミックスに埋もれにくくなる傾向があります。
その他のエフェクトですが、実はあまりかけない方が良かったりします。もし今のKickの音に満足できなければ、サンプルを変えたほうがいい場合も多いです。特にReverbやDistortionは、時にクリエイティヴに聞こえますが、大抵は変になりますので、気をつけてください。
トランジェントプロセッサーで調整する
↑アタックを強く、リリースを弱く設定
他に使っていいエフェクトといえば、トランジェントプロセッサーです。トランジェントプロセッサーは「音の始まりと終わりを調整する」エフェクトでした。上の図では、Kickの音のアタックを強め、Releaseを弱くしています。下の波形の赤い線が音量を表していますが、それをみると音の始まりが強調され、終わりが短くされているのがよくわかりますね。
もし、あなたのサンプルがBPMに合っていなかったり、パンチや迫力がないと感じたならば、トランジェントプロセッサーを使うと問題が解決されるかもしれません。FL Studioのトランジェント・プロセッサーはこちらからダウンロード出来ます。
複数のキックをレイヤーする/キック生成プラグインを活用する
上の動画ではAsher Postmanがパンチのあるキックを作るのに、Low End(低音)専用のキックとHigh End(高音、ノック音)にわけて音作りしているのがわかります。
Kickは、低音で「威力を感じて」高音で「リズムを刻む」イメージです。もしそれぞれでこだわりがあるなら、彼のようにレイヤーを作ってみるのもおすすめです。ぜひ一度は彼の解説を見てみましょう。
以上でキックの音作りの解説を終わります。この5つの技を試してうまくいかないことはまずありません。何か質問があればコメントお待ちしています。それではまた次回の記事でお会いしましょう。Happy Producing<3
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