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アナライザーは、音の周波数バランスやステレオの広がりを「目で見える化」するプラグインです。耳の判断を補う道具として使うと、ミックスの失敗をぐっと減らせます。まずは無料の Voxengo SPAN(スペクトラム)と iZotope Ozone Imager 2(ステレオ)の2つで十分です。この記事では、アナライザーの基本と、具体的な使い方のコツ、おすすめのプラグインを紹介します。
この記事でわかること
- アナライザーとは何か、何が分かるのか
- スペクトラムアナライザー・ステレオアナライザーの見方と実践的な使い方
- 無料で使える定番プラグインと、有料の選択肢
アナライザーとは何か
アナライザーとは、その名の通り音を「分析し、見える化する」プラグインのことです。
必須のプラグインではありませんが、使いこなせると確実に便利です。普段は耳で判断している周波数のバランスやステレオの広がりを、目で確認できるようになります。自分のミックスを客観的に見られるのが一番のメリットです。
特に、低音がよく聞こえない小さめのスピーカーやヘッドホンで作業している場合、サブベースの量をアナライザーで確認できるのは大きな助けになります。
| 種類 | 分かること | 主な使い道 |
|---|---|---|
| スペクトラムアナライザー | どの周波数にどれだけの音量があるか | EQの判断、低音の量の確認、ドラムのキー調べ |
| ステレオアナライザー(ベクトルスコープ、相関メーター) | 音の左右の広がりと、左右の位相のずれ | ステレオ感の確認、モノラル再生時の音痩せチェック |
| ラウドネスメーター | 曲全体の聞こえ方の大きさ(LUFS) | マスタリング時の音量の目安 |
この記事の手順は FL Studio Template Pro に設定済みです。 詳細を見る →
アナライザーの使い方・コツ
使い方は簡単で、分析したいトラック(またはマスタートラック)のエフェクトスロットに挿すだけです。ここでは、覚えておくと役立つ「アナライザーの見方」のコツを紹介します。
① スペクトラムアナライザー

上の画像は、無料プラグインの Voxengo SPAN です。横軸が周波数、縦軸が音量(dB)で、どの周波数帯にどれだけの音があるかを教えてくれます。ここで使えるTipsを3つ紹介します。
- プロの曲と比べる:同じジャンルのプロの曲と自分の曲を交互に鳴らして、自分の曲に足りない、または多すぎる周波数を探しましょう。見つけたら、EQでブースト・カットして調整します。比べるときは、2曲の音量をそろえておくのがポイントです。
- 動きが激しい帯域を探す:自分の曲の中で、音量の上下が激しすぎる周波数帯を探しましょう。その帯域を占めている楽器にコンプレッサーをかけます。ミックスの後半なら、マルチバンドコンプレッサーやダイナミックEQを試してもよいでしょう。
- ドラムのキーを調べる:キックやスネア、タムなどのドラムは、曲のキーに合っていないと濁って聞こえることがあります。アナライザーで「一番高い山」の位置にカーソルを合わせると、その音の高さ(音名)を調べられます。調べたら、FL Studio ならチャンネル設定のピッチでキーを合わせればOKです。
注意したいのは、アナライザーの形を「正解の形」に合わせようとしないことです。曲によって最適なバランスは違うので、最終的な判断は必ず耳で行いましょう。EQの使い方は「EQの使い方やコツ」で解説しています。
② ステレオアナライザー

iZotope の Ozone Imager を使えば、音の左右への広がりを確認できます。現在は後継の Ozone Imager 2 が無料で配布されていて、ベクトルスコープや相関メーターで広がりと位相の状態をチェックできます(ダウンロードにはメールアドレスの登録が必要です)。
ステレオの広がりは、体感の音量(”Perceived Volume”)を大きく感じさせるのにも役立ちます。もし広がりが足りなければ、ステレオイメージを広げるプラグインを使ってみるとよいでしょう。逆に、相関メーターがマイナス側に振れることが多い場合は、モノラルで再生したときに音が消えたり痩せたりするおそれがあるので注意が必要です。特にキックとベースは、真ん中(モノラル)に置くのが基本です。広げ方は「ステレオイメージの広げ方」で解説しています。
Ozone Imager は、マスタリング用プラグインの iZotope Ozone にも含まれています。Ozone の最新版は Ozone 12 で、EQ やマキシマイザー、ステレオイメージャーなど、マスタリングに必要な機能をまとめて使えます。なお、iZotope は2026年7月に Boris FX に買収されましたが、既存のライセンスはそのまま使えると案内されています。
EDMプロデューサーに人気のアナライザー
海外のプロデューサーにも、無料の Voxengo SPAN を使っている人が多い印象です。有料のものにも優れたアナライザーはありますが、個人的には SPAN で十分仕事をしてくれると感じています。
| プラグイン | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|
| Voxengo SPAN | 無料 | 定番のスペクトラムアナライザー。Windows / Mac 対応 |
| iZotope Ozone Imager 2 | 無料 | ステレオの広がりと位相の確認。ステレオを広げる機能も付属 |
| FL Studio 付属の Wave Candy | FL Studio に付属 | スペクトラム、オシロスコープ、ベクトルスコープなどを1つで表示 |
| Waves PAZ Analyzer | 有料 | 周波数とステレオの位置を同時に確認できる |
| iZotope Insight 2 | 有料 | ラウドネスやスペクトログラムなど、多機能なメーター |
FL Studio ユーザーなら、まずは付属の Wave Candy から試してみるのもおすすめです。使い方は「Wave Candyの使い方」で解説しています。価格や対応OSは変わることがあるので、各公式サイトで確認してください。
よくある質問
アナライザーはどのトラックに挿せばいいですか?
曲全体のバランスを見るならマスタートラック、特定の楽器を調べるならその楽器のミキサートラックに挿します。複数のトラックを重ねて比較できるアナライザーもあり、キックとベースのぶつかりを確認するときに便利です。
アナライザーを見ながらミックスしてもいいですか?
確認用として使うのはOKですが、画面ばかり見ていると耳での判断がおろそかになりがちです。耳で調整し、気になったところをアナライザーで確かめる、という順番がおすすめです。
まとめ
- アナライザーは、周波数バランスやステレオの広がりを目で確認できる「耳の補助」
- スペクトラムはEQの判断や低音の確認に、ステレオアナライザーは広がりと位相のチェックに使う
- まずは無料の Voxengo SPAN と Ozone Imager 2、FL Studio なら Wave Candy で十分
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