EDMのFXの種類と使い方

EDMのFX(エフェクトサウンド)は、展開の「つなぎ目」に置いて、盛り上がりや場面転換を強調するための効果音です。ビルドアップにはRiser、ドロップの頭にはDownerやImpact、というように、置く場所がだいたい決まっています。この記事では、サンプルパックでよく見かけるFXの種類と、実際の曲での使い方を音源つきで紹介します。

この記事でわかること

  • FX(エフェクトサウンド)とは何か
  • Riser、Downer、Sub Drop、Impact、Reverse、Glitch、Foleyの特徴
  • それぞれのFXを曲のどこに置けばいいか
  • FL StudioでシンプルなRiserを自作する方法

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FXとは何か

SpliceでFXサンプルを検索した画面

FXとは、メロディやドラムとは別に、展開を盛り上げたり、場面の切り替わりを知らせたりする効果音のことです。音の分類の1つなので、言葉で説明するより聴いたほうが早いでしょう。まずはSpliceなどのサンプルサイトで「FX」と検索して、いろいろなサンプルを試聴してみてください。

FXを入れると、リスナーは無意識に「ここから展開が変わる」と感じ取れます。逆にFXがないと、展開の切り替わりがのっぺりした印象になりがちです。

FXの種類と使い方

SpliceのFXのタグ一覧

サンプルサイトでは、FXに上のようなタグがついています。ここでは特に重要なものをピックアップして、置き場所と使い方をまとめます。

FXどんな音か主に置く場所
Riser / Sweep Upだんだん大きく・高くなるビルドアップの終わり(ドロップ直前)
Downer / Sweep Downだんだん小さく・低くなるドロップの頭、セクションの切り替わり
Sub Drop重低音が下がっていくドロップの頭、ドロップ直前のブレイク
Impactドーンという一撃ドロップやサビの1拍目
Reverse逆再生で吸い込まれるセクションの直前
Glitch機械的・電子的なノイズフィル、ドロップの中の隙間
Foley身近な物の音・環境音イントロ、ブレイク、Chill系の曲全体

Riser / Sweep Up

Riserの波形

Riserは、だんだん音が大きく・高くなっていく効果音です。「ビルドアップの作り方」で解説したように、ドロップの直前によく使います。長さは4〜16小節程度で、ドロップの1拍目でぴったり終わるように配置するのが基本です。

詳しくは「ビルドアップの作り方」をどうぞ。

Downer / Sweep Down

Downerの波形

Downerは、Riserの逆で、だんだん音が小さく・低くなっていく効果音です。「パワフルなドロップの作り方」で解説したように、ドロップの開始と同時に鳴らすことが多いです。ドロップの頭で鳴らすと、盛り上がった空気が「着地」する感覚を作れます。

Sub Drop

Sub Dropの波形

Sub Dropは、重低音を使ったインパクト系の効果音です。ドロップの直前に一瞬立ち止まる演出や、ドロップの頭で低域の迫力を足すのに使います。低域がKickやBassとぶつかりやすいので、鳴らす瞬間はベースを止めるか、Sub Dropの音量を控えめにしましょう。曲のキーに合わせてピッチを調整すると、低域がきれいにまとまります。

Impact

Impactは、「ドーン」という一撃の効果音です。ドロップやサビの1拍目に鳴らして、展開の始まりを強調します。Sub DropやDowner、クラッシュシンバルと同時に重ねると、より厚みのある一撃になります。ただし毎回のセクションで使うとくどくなるので、ここぞという場面に絞りましょう。

Reverse

Reverseは、シンバルやボーカル、リバーブの余韻を逆再生して「吸い込まれる」ような効果を作るFXです。セクションの切り替わりの直前に置くと、次の展開へ自然につながります。逆再生したクラッシュシンバル(Reverse Cymbal)は、もっとも手軽で効果の大きい定番の使い方です。作り方は「Reverse(リバース)機能の使い方」で解説しています。

Glitch

Glitchの波形

Glitchは、機械が壊れたような音から、ロボットやモンスターの声のような音まで、さまざまな電子的なノイズです。ElectroやDubstepなどで、フレーズの隙間を埋めたり、曲を複雑に聴かせたりしたいときに有効です。

Foley

Foleyの波形

Foleyは、身近な物の音や環境音を録音したサンプルです。アンビエント系の音楽でよく使われます。「美しいPadサウンドを作るコツ」で紹介したように、Padとの相性が良いので、Chill系の曲やイントロを作るときに重宝します。パーカッションのループとして使えば、ビートに有機的な質感も足せます。

FL StudioでシンプルなRiserを自作する

サンプルでぴったりのRiserが見つからないときは、ホワイトノイズにフィルターと音量のオートメーションをかけるだけで、シンプルなRiserを作れます。

  1. シンセでホワイトノイズを鳴らし、ビルドアップの長さ(例:8小節)だけ伸ばす
  2. ハイパスフィルター(またはバンドパス)のカットオフを、低い位置から高い位置へオートメーションで上げていく
  3. 音量も、小さい状態から徐々に上げていく
  4. リバーブを深めにかけて、広がりを出す
  5. ドロップの1拍目でぴったり止める(直前で無音にするのも効果的)

オートメーションの作り方は「FL Studioのオートメーションとは?」、ノイズの使い方は「ノイズを使って音質を上げる方法」で解説しています。

FXを使うときの注意点

FXは「入れすぎない」「音量を上げすぎない」のが一番のコツです。

  • 音量は控えめに:FXは主役ではありません。メロディやドラムを邪魔しない音量にしましょう。
  • 低域はカット:Sub Drop以外のFXは、ハイパスEQで低域を削るとミックスが濁りません。
  • ステレオで広げる:FXを左右に広げると、中央のKickやボーカルとぶつかりにくくなります。
  • 使う場所を絞る:すべての切り替わりに同じFXを入れると、かえって単調になります。

よくある質問

FXのサンプルはどこで手に入りますか?

SpliceやCymaticsなどのサンプルサイトや、市販・無料のサンプルパックで手に入ります。「おすすめサンプルパック集(有料)」と「おすすめサンプルパック集(無料)」も参考にしてください。

RiserとSweep Upは何が違いますか?

ほぼ同じ意味で使われます。サンプルサイトによって呼び方が違うだけで、どちらも「だんだん盛り上がっていく効果音」を指します。

まとめ

  • FXは、展開のつなぎ目を強調するための効果音
  • ビルドアップにはRiser、ドロップの頭にはDowner・Sub Drop・Impact、切り替わりの直前にはReverse
  • 音量は控えめに、低域をカットして、使う場所を絞る

FXを使った展開づくりは「イントロの作り方」「ビルドアップの作り方」「ドロップの作り方」もあわせてどうぞ。それではまた次回、お会いしましょう。Happy Producing<3

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