Splice(スプライス)は、月額制で300万以上のサンプル・プリセット・MIDIから必要な音だけを1つずつダウンロードできるサービスです。ダウンロードした素材は、商用の楽曲にもロイヤリティフリーで使えます。ただし、素材そのものの再配布や、AIの学習への利用は禁止されています。
この記事では、Splice公式ヘルプの記載をもとに、使い方の手順、料金プランとクレジットの仕組み、商用利用のルール、解約方法と解約後の扱いを2026年版として整理します。
この記事でわかること
- Spliceの料金プラン(Sounds+/Creator/Creator+/INSTRUMENT)とクレジットの仕組み
- アカウント作成からDAWに読み込むまでの使い方の手順
- 商用利用でできること・禁止されていること
- 解約・一時停止の方法と、解約後に残るもの・消えるもの
Spliceとは?サンプルを「1音単位」で買えるサブスク
Spliceは、サンプルパックを丸ごと買うのではなく、必要な音を1つずつ選んでダウンロードできるサブスクリプションサービスです。毎月付与される「クレジット」を消費して素材を入手します。
- サンプル(ループ・ワンショット):1つにつき1クレジット
- MIDIパターン・プリセット:1つにつき最大3クレジット
- 収録数:公式のプランページでは300万以上のサウンドと案内されています。
キック1発、ボーカルチョップ1つだけ欲しい、というときに無駄がないのが最大のメリットです。プランページでは、Serum や Vital のプリセットも扱っていると案内されています。サンプルパックを丸ごと買う方法との比較は、有料サンプルパックの記事も参考にしてください。
なお、Spliceは2025年に Spitfire Audio を買収し、無料音源として人気だった LABS は現在「Splice INSTRUMENT」に統合されています。INSTRUMENT は無料でダウンロードでき、毎月の無料コンテンツ(Free Drops)も追加されます。
Spliceの料金プランとクレジット【2026年版】
Spliceの主なプランは「Sounds+」「Creator」「Creator+」と、音源プラグイン専用の「INSTRUMENT」です。違いは、毎月のクレジット数と、付属するプラグインや機能です。
| プラン | 毎月のクレジット | 主な内容 | 月額の目安(USD・税別) |
|---|---|---|---|
| Sounds+ | 100 | サンプル・プリセット・MIDI、デスクトップ/モバイルアプリ、Bridge プラグイン | 12.99ドル |
| Creator | 200 | Sounds+ の内容+Skills(チュートリアル)、Astra(シンセ)、Beatmaker、INSTRUMENT のプレミアムコンテンツが無制限 | 19.99ドル |
| Creator+ | 500 | Creator の内容+クレジット増量 | 39.99ドル |
| INSTRUMENT | なし | INSTRUMENT のプレミアムコンテンツとプリセットが無制限 | 12.99ドル |
※プラン内容は Splice 公式ヘルプ「Splice plans – FAQ」、金額は公式ヘルプとプランページ(2026年10月確認)の表示をもとにした目安です。年額払い(プランページでは15%お得と表示)や、初月の割引キャンペーンが表示されることもあります。表示通貨や金額は地域・時期で変わるため、最新の料金はsplice.com/plansで確認してください。
無料トライアルについて、公式ヘルプは「新規の月額会員向けの無料トライアル期間は現在提供していない」としています(2026年2月の記事)。ただし、初月の割引などのキャンペーンが表示されることはあります。また、無料アカウントでも、カタログの検索や試聴はできます。
クレジットの繰り越しとプラン変更
- 繰り越し:使わなかったクレジットは翌月に自動で繰り越されます(一時停止中・解約時を除く)。
- アップグレード:すぐに反映され、その場で課金されます。
- ダウングレード:次の請求サイクルから反映されます。新しいクレジットは残高に加算されます。
- 注意点:Sounds+/Creator/Creator+ と INSTRUMENT プランの間は、直接切り替えられません。
どのプランを選ぶべき?
EDMを作り始めたばかりなら、まずは Sounds+ で十分です。月100クレジットあれば、1曲に使うドラムやFXの素材はひと通りそろいます。Splice のシンセ Astra や、INSTRUMENT のプレミアム音源も使いたい人は Creator を選びましょう。
なお、Ableton Live 12.3以降などのDAWとの連携専用プランも用意されています(公式ヘルプでは Ableton Live、Studio One、Pro Tools 向け)。対象DAWを所有していることが条件です。
EDMの定番サウンドをまとめて揃えるなら EDM Starter Kit Vol.1 もどうぞ。 詳細を見る →
Spliceと買い切りのサンプルパックはどちらがいい?
使う音の数が少ない人や、いろいろなジャンルの音を少しずつ試したい人には Splice が向いています。特定のジャンルの音を大量に使う人や、月額の支払いを増やしたくない人には、買い切りのサンプルパックが向いています。
| 比較項目 | Splice | 買い切りサンプルパック |
|---|---|---|
| 支払い | 月額(または年額) | 購入時に1回 |
| 入手単位 | 1音ずつ | パック単位(数百〜数千ファイル) |
| 音の選択肢 | 非常に多い(300万以上) | パックの中だけ |
| 向いている人 | 必要な音だけを効率よく集めたい人 | 同じジャンルの音を大量に使う人、固定費を抑えたい人 |
両方を併用し、「ドラムの基本セットは手持ちのパック、足りない音だけ Splice で探す」という使い方も効率的です。
Splice INSTRUMENT(旧LABS)の使い方
Splice INSTRUMENT は、サンプルを使った音源プラグインです。VST3/AU/AAX のプラグインとして DAW で使えるほか、スタンドアロンでも動きます。
- splice.com/instrumentから INSTRUMENT をダウンロードしてインストールします(Spliceの無料アカウントが必要)。
- DAWでプラグインを再スキャンし、INSTRUMENT をトラックに読み込みます。
- 無料のプリセットや、毎月追加される Free Drops から音色を選んで演奏します。
以前の LABS をインストールしていた場合、INSTRUMENT を初めて開いたときに、インストール済みの LABS コンテンツが自動で読み込まれます。既存のプロジェクトは LABS プラグインのまま開けますが、INSTRUMENT へ自動で置き換わることはありません。
Spliceの使い方(登録からDAWに読み込むまで)
Spliceは、ブラウザで探してデスクトップアプリ経由でダウンロードし、DAWにドラッグ&ドロップする流れで使います。
- アカウントを作る:splice.comで無料アカウントを作成します。この時点で検索と試聴ができます。
- プランに加入する:プランページから目的に合うプランを選びます。
- デスクトップアプリを入れる:Splice のデスクトップアプリをインストールしてログインします。ダウンロードした素材の保存先フォルダーは、アプリの設定で確認・変更できます。
- 音を探す:ジャンル(例:Future Bass、Dubstep)、楽器(Kick、Vocal など)、キー、BPM で絞り込みます。似た音を探す機能も便利です。
- ダウンロードする:気に入った音のダウンロードボタンを押すと、クレジットが消費され、ライブラリに追加されます。
- DAWに読み込む:デスクトップアプリから、DAWのトラックへドラッグ&ドロップします。FL Studio なら、プレイリストやチャンネルラックに直接ドロップできます。
一度ダウンロードした素材は、同じアカウントなら再ダウンロードしてもクレジットは減りません。ダウンロードした音は「Your Sounds」(ライブラリ)にまとまります。
EDM制作でSpliceを効率よく使うコツ
- キーとBPMで絞ってから試聴する:自分の曲のキーとテンポで絞り込むと、ループを探す時間が大きく減ります。
- ワンショットを優先する:ループより、キックやスネアのワンショットのほうが曲に合わせて加工しやすく、使い回しも効きます。ドラムの音作りはドラムの音作りのコツ11選で解説しています。
- ボーカルは加工して使う:同じサンプルはほかのユーザーも使えるため、そのまま使うと他の曲と似てしまいます。チョップやピッチ変更で自分の音にしましょう(SliceXでボーカルチョップを作る方法)。
- クレジットは繰り越せる:毎月使い切る必要はありません。ため込んでおいて、制作が集中する月にまとめて使えます。
Spliceの商用利用:できること・できないこと
Spliceでダウンロードした素材は、利用規約を守る限り、商用・非商用の両方で使えます。曲の売上や再生回数に応じて、Spliceに追加の支払いをする必要はありません。
| できること | できないこと |
|---|---|
| 自分の曲に使ってストリーミング配信・販売する | 素材をそのまま(または加工して)サンプルやループとして再配布する |
| レーベルからリリースする | 素材を使って新しいサンプルパックなど、競合する商品を作る |
| 動画・ゲーム・映画・配信などで使う | 素材を単体で効果音やループとしてサブライセンスする |
| 作った曲を他のプラットフォームで非独占のロイヤリティフリー音楽として配布する(そのプラットフォームの規約に従う) | ダウンロードした素材でAIを学習させる |
出典:Splice公式ヘルプ「Splice Sounds licensing FAQ」。最終的な判断は利用規約(Terms of Use)を確認してください。
商用利用で知っておきたいポイント
- 作った曲の権利は自分のもの:Splice の素材を使って作った曲は自分が所有します。ただし素材そのものの独占権は持たないため、同じ素材を他の人も使えます。
- クレジット表記は不要:Splice やサンプル制作者の名前を表記する必要はありません。逆に、許可なく制作者の名前をプロモーションに使ってはいけません。
- Content ID の申し立て:Splice は、YouTube などで Content ID に検出されないことを保証していません。Content ID は、YouTube で音源の一致を自動で検出する仕組みです。誤って申し立てを受けた場合に備えて、ライブラリから「認証済みライセンス(Certified License)」を発行できます(1回あたり最大25サンプル)。配信サービスからライセンスの証明を求められたときにも使えます。
- 解約後もライセンスは有効:サブスク期間中にダウンロードした素材のライセンスは、解約や一時停止のあとも永続的に有効です。
配信やContent IDの仕組みについては、個人で曲を配信する方法やリミックスの著作権の注意点もあわせて読んでおくと安心です。
Spliceの解約方法と一時停止
Spliceの解約は、Webのプラン管理ページからいつでもできます。解約しても、その請求期間が終わるまではクレジットを含めて使えます。
- ブラウザで Splice にログインし、プラン管理ページ(splice.com/profile/plans)を開きます。
- 解約したいプランの「cancel」を選びます。
- 解約理由を選びます。このとき「一時停止(pause)」が提案されます。
- 解約する場合は、画面を下にスクロールし、赤い「cancel subscription」ボタンを押します。
手順の出典は公式ヘルプ「How do I cancel my Splice plan?」です。スマホのアプリストア経由で契約した場合など、手順が異なるケースは公式ヘルプかサポートで確認してください。
解約後に残るもの・消えるもの
| 項目 | 解約後の扱い |
|---|---|
| ダウンロード済みの素材 | 引き続き使える。ライブラリからの再ダウンロードも可能 |
| 素材のライセンス | 永続的に有効 |
| 未使用のクレジット | 最終請求期間の終了から28日後に失効。それまでに再加入すれば復活 |
| 新しい素材のダウンロード | できない(無料アカウントに戻る) |
| INSTRUMENT のプレミアムプリセット | 既存の曲では鳴るが、新たに読み込んだり、削除したものを再ダウンロードしたりはできない |
解約の代わりに「一時停止」もできる
しばらく制作できないだけなら、一時停止を検討しましょう。最大2か月間、支払いを止めながら、たまったクレジットを失わずに済みます。公式ヘルプによると、年額プランは一時停止の対象外です。
Rent-to-Own(プラグインの分割購入)について
Spliceには、サンプルのサブスクとは別に、有料プラグインを月額で分割払いし、支払いが終わると所有できる「Rent-to-Own」もあります。プランページでは Serum 2 などが対象として案内されています。
サンプルのプランとは別契約なので、契約内容や途中解約の扱いはプラグインごとに公式ページで確認してください。Serum の使い方はSerumの使い方で解説しています。
よくある質問
Spliceは日本から使えますか?
使えます。サイトやアプリの表示は英語が中心ですが、検索して試聴し、ダウンロードするだけなら難しい英語は必要ありません。料金の表示通貨や税は地域によって変わるので、加入前にプランページで確認してください。
Spliceのサンプルを使った曲をYouTubeで収益化できますか?
ライセンス上は、収益化目的で動画プラットフォームにアップロードすることも認められています。ただし、Content ID に検出されないことは保証されていません。申し立てを受けた場合に備えて、認証済みライセンスを発行できるようにしておきましょう。
Spliceの素材を使ってサンプルパックを作って売れますか?
できません。素材をサンプルやループとして再配布すること、競合する商品(新しいサンプルパックなど)に入れることは禁止されています。自分で一から作った音であれば、販売に問題はありません。
無料でサンプルを集める方法はありますか?
Splice INSTRUMENT の無料コンテンツのほか、メーカー各社が無料サンプルを配布しています。無料サンプルパックのリストや無料VSTプラグインおすすめも参考にしてください。
まとめ
- Spliceは、クレジットを使って必要な音だけを1つずつダウンロードできるサブスク。未使用のクレジットは翌月に繰り越せる
- 素材は商用の曲に使えるが、素材そのものの再配布・サンプルパック化・AI学習は禁止
- 解約は splice.com/profile/plans から。解約後も素材とライセンスは残り、クレジットは28日後に失効する
次に読むなら、サンプルの使い方を広げる有料サンプルパックの記事、ドロップで素材を生かすドロップの作り方がおすすめです。サブスクではなく、EDM制作に必要な音をまとめて手元に置いておきたい人は、EDM Starter Kit もチェックしてみてください。

キック、スネア、FXなどEDMの定番サウンドを厳選したサンプルパック。ロイヤリティフリーなのでリリース曲にもそのまま使えます。
- EDMに必要な定番サウンドを厳選
- ロイヤリティフリー
- FL Studio テンプレート付き