最高の曲は作ったけど、その後は?
EDMプロデューサーの皆さんの中には、「FL Studio テンプレート Proなどを利用し、やっと満足できるクオリティの曲を作れた!」という方も出てきているかと思います。ただ、自分のオリジナル曲が完成したのに、「でも、聞いてくれる人がいないんだけど!」と悩んでいる方も多いでしょう。そこで今回からは、全11回で、日本の個人プロデューサーが、世界中のファンに曲を聞いてもらう方法=マーケティングのやり方を解説していきます。
- #1 音楽業界の仕組みを理解しよう (ストリーミング・サービスとは、個人でマーケティングをするには)
- #2 EDMプロデューサーに英語力は必要なのか?
- #3 レコード会社とは何か?日本にいながら、個人で海外レーベルと契約を取る方法!(メールの書き方・提出する時の注意点)
- #4 Spotify, Apple Musicなどに個人で曲をアップする方法(デジタル・ディストリビューション)
- #5 ロゴやジャケット画像を作る方法(ビジュアル・ブランディング)
- #6 Instagram, Youtube, Twitter, Facebookの攻略法 (SNSブランディング)
- #7 Spotifyの攻略法 (再生数の増やし方・プレイリストへの入り方)
- #8 Youtubeで大きなチャンネルに紹介してもらう方法
- #9 Soundcloudの攻略法 (再生数の増やし方・フォロワーの増やし方)
- #10 他人の楽曲のリミックスを作る方法(曲の選び方、著作権侵害を避けてリリースする方法)
- #11 自分の曲にボーカルをつける方法 (ボーカリストの探し方・メールの書き方)
今回は、#1 音楽業界の仕組みを理解しようということで、EDMマーケティングの基本を確認して行きます。
【FL Studio テンプレート Pro】
お金なし・人脈なし・時間なしのアマチュアでも、プロのレーベルに採用される楽曲を作れるFL Studioのテンプレート。
目次
2019年の音楽消費スタイル=ストリーミングサービス
Statistaより
さて、長い間の努力が実り、やっと自分のオリジナル曲が完成しました。ただ、この後はどうやって世界に曲を発表すれば良いのでしょうか?そこで、まずは「世界の消費者がどうやって音楽を聞いているのか」を理解しましょう。
まずは、上の図を見てください。現在、世界ではストリーミング・サービス(Spotify, Apple Musicなど)が主流となっています。ストリーミング・サービスとは、月に定額(1,000円前後)を支払うことで、クラウド上の曲(世の中にあるほとんど全ての曲)が聞き放題になるというサービスです。
これは、私たち個人プロデューサーにとっては「美味しすぎる話」です。今までのプロデューサーは、SonyやWarnerといった大企業と契約しない限り、世界の商店ではCDを販売できず、ほとんど誰にも聞いてもらえない=稼げない状況でした。しかし一転、今では個人が単純にネットに曲をアップロードするだけで、世界中の消費者に音楽を届けることができます。つまり大企業無しでも、完全に個人の力のみでファンを作れる時代が、到来したのです。
楽曲の配信(Digital Distribution)
ということで、様々なストリーミング・サービスに曲をアップロードしましょう。このことはDigital Distributionと言います。
このDigital Distributionは、現在は専門の会社(上の画像のような会社)を経由すれば、個人でかなり安価に行うことができます。(年1,000円くらいで無制限にアップ可能)一方で、従来通りレコード会社と契約し、彼らにやってもらうこともできます。ここでポイントなのは、レコード会社と契約すると、
- 広告・宣伝をしてもらえる代わりに、ロイヤリティーを取られる(売上の一部を取られる)
ということです。「自分の力で宣伝できるぜ!」という方はもちろん個人でアップロードしたほうが良いでしょうが、「Spinnin’ Recordsで出された曲」「Monstercatで出された曲」などのお墨付きがあれば、この後の「宣伝・広告」を、かなり良くしてくれますので、レコード会社との契約は必ずしも悪いもので無いことに注意しましょう。
レコード会社との契約を取る方法は以下の記事↓で、
個人でSpotifyやApple Musicなどのサービスに曲をアップロードする方法は以下の記事↓で紹介しています。
広告・宣伝(PR)=個人ブランドの確立
あなたのブランド価値は?
さて、やっとSpotifyやApple Musicにアップロードが出来ました。ただ、あなたは必ずこの悩みに直面するはずです。「再生数が全然増えないんだけど!」それもその通りで、世界中にはプロデューサーは無数にいますので、あなたがどんなに素晴らしい曲をアップしても、あなたがSNSなどで有名でない限り、ほとんど誰も気づいてはくれません。そこで、ここからは周りから頭一つ抜け出るための広告・宣伝をやっていく必要があります。
周りから頭一つ抜け出るための広告・宣伝とは、つまり個人ブランドを作るということです。この個人ブランドを理解するには、自分の好きなプロデューサーを想像して見て、自分はそのプロデューサーに関して、「なぜ」「いつ」「どこで」「何が」好きなのかという事を分析するのが一番です。
例えば、いつもSNSで面白い投稿がある。かっこいいYoutubeのミュージック・ビデオが印象的だった。Spotifyのプレイリストでいいなと思って知った。など色々あるでしょう。そこで、ここからの記事では
- ビジュアル・ブランディング (ロゴ画像やジャケット画像)
- SNSでのブランディング (Instagram, Youtube, Twitter, Facebookの活用)
- 3大音楽サービスSpotify・Soundcloud・Youtubeの攻略
といったマーケティングのテクニックを紹介していきます。これを全て順番にクリアして行けば、徐々に再生数が増えていくはずです。
Content is king, but distribution is queen
コンテンツ>マーケティング!?
最後に、マーケティングのマインド・セットを紹介して終わりにします。海外の音楽ビジネスでよく言われるのが、
Content is king, but distribution is queen.(=コンテンツの質は一番大事だが、配信や宣伝などのマーケティングは、次に一番大事なことだ)
という言葉だそうです。「あのプロデューサーは、マーケティングが上手いだけで、楽曲は丸パクリ」だとか、「あいつは宣伝ばっかやっていて、全然曲はつまらない」、などはプロデューサーの間では非常によく聞く愚痴です。ですが、マーケティングはやらなければ、いつまで経っても誰も聞いてくれませんし、自分の楽曲を本当のファンに届ける日はやってきません。
楽曲はもちろん大事。でも、マーケティングもやらなきゃダメ。少し面倒な気がする人もいるかもしれませんが、マーケティングをクリアすることで真に評価されるプロデューサーになれるのは間違いありません。そのための情報はここから全て解説していきます。それでは、また次回の記事でお会いしましょう。Happy Producing<3
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