
ロゴやジャケット画像は、「自分の曲の雰囲気を言葉にする」→「色・形・フォントのルールを決める」→「そのルールで作り続ける」の3ステップで作れます。この記事は、日本人の個人EDMプロデューサーが海外で活躍する方法を解説する「EDMマーケティング講座」の第5回です。デザインの経験がなくても、オリジナルで質の高いロゴやジャケットを作る方法を解説します。
この記事でわかること
- なぜEDMプロデューサーに視覚的なブランドが必要なのか
- ブランドの一貫性の決め方と、ロゴ・ジャケット画像の作り方
- フリー素材や生成AI画像を使うときの、権利と配信ルールの注意点
視覚的なブランドが大事な理由

San Holo – bitbird
聴き手は、曲より先に「見た目」であなたを覚えます。好きなアーティストを思い浮かべたとき、最初に浮かぶのはロゴやジャケットの色だったりしませんか?
例として、San Holoが立ち上げたレーベルbitbirdの公式サイトや、San HoloのInstagramをのぞいてみましょう。私が記事を書いた当時、彼は「虹色」「ミニマルなデザイン」「小鳥」といった要素を繰り返し使っていました。音楽を強い視覚的イメージと結びつけて、人々に覚えてもらうためです。
個人的には、San HoloはMonstercat時代が終わってから、急にマーケティングがうまくなったと感じています。Heroicのようなチームのサポートもあったのかもしれません。私の印象では、このころから一気に人気が上がりました。
では、大きなチームのサポートがないと、個人でブランディングはできないのでしょうか?いいえ、やり方さえ知っていれば、個人でも視覚的なブランドは作れます。
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STEP1:自分のスタイル(一貫性)を決める
最初にやるべきことは、ツール選びではなく「自分の曲の雰囲気を言葉にすること」です。アマチュアによくあるのが、いろいろなフリー素材を使いすぎて、散らかった印象を与えてしまうパターンです。
まずは、自分の曲のイメージに近い言葉を、思いつく限り挙げてみましょう。
- 落ち着いている
- 激しい
- 自然豊か
- 都会的
次に、その言葉から次の要素を具体的に決めます。
| 要素 | 決めること | 例 |
|---|---|---|
| 色 | メインカラー1色+サブカラー1〜2色 | 明るい?暗い?カラフル? |
| 形 | よく使うモチーフや形 | 丸?四角?なめらか?でこぼこ? |
| スタイル | フォントとデザインの方向性 | ミニマル?にぎやか?手書き風? |
決めたルールは、メモやスマホの画像フォルダにまとめておきましょう。ジャケット、SNSのアイコン、YouTubeのサムネイルまで、同じルールで作り続けることが「ブランド」になります。このテーマについては、Canvaの記事「5 visual branding mistakes」でもわかりやすく解説されているので、ぜひ読んでおきましょう。
STEP2:アーティストロゴを作る
ロゴは、小さく表示しても読める、シンプルなものにするのがコツです。アルファベットを並べたものでも、イニシャルの頭文字でも、抽象的なイラストでも構いません。
- Canva…ブラウザで使えるデザインツール。テンプレートが多く、初心者でも短時間でロゴを作れます。
- Adobe Illustrator…プロ向けのデザインソフト。拡大しても劣化しないベクター形式で作れるので、グッズなどにも使い回せます。
作ったロゴは、次の3点をチェックしておきましょう。
- SNSのアイコンくらいの小さいサイズでも読めるか
- 白い背景・黒い背景の両方で見やすいか
- ほかのアーティストや企業のロゴに似すぎていないか
Canvaなどのテンプレートを使う場合は、テンプレートをそのまま使うのではなく、文字や形を自分なりに変えて、オリジナルにしていきましょう。テンプレートや素材を商標として登録できるかどうかなどは、各サービスの利用規約で確認してください。
STEP3:ジャケット画像(カバーアート)を作る
ジャケット画像は、配信サービスのルールを守った、大きめの正方形の画像で作るのが基本です。配信代行サービスごとに細かい条件があるので、使うサービスのヘルプで必ず確認しましょう(例:TuneCoreのカバーアートの条件)。
一般的に押さえておきたいポイントは、次のとおりです。
- 完全な正方形で、高解像度…多くのサービスで使えるよう、3000×3000ピクセル程度の大きさで作っておくと安心です。最低サイズはサービスの条件で確認してください。
- カラーモードはRGB…印刷用のCMYKではなく、画面表示用のRGBで作ります。
- 入れていい文字は基本的にアーティスト名と曲名…URL、メールアドレス、SNSのアカウント名、価格などは入れないのが原則です。Apple Musicのスタイルガイドでも、ウェブサイトのアドレスやQRコード、価格への言及は禁止されています。
- 画質の低い画像は使わない…ぼやけた画像やピクセルが目立つ画像は、配信審査で差し戻される原因になります。
写真を使う場合は、UnsplashやShutterstockなどの素材サイトで探し、Adobe PhotoshopやCanvaで加工して仕上げましょう。
フリー素材・生成AI画像を使うときの注意
ジャケットに他人が作った素材を使うときは、「商用利用できるか」「加工してよいか」を必ず確認しましょう。曲を配信して収益を得る以上、ジャケットも商用利用になります。
- 素材サイト…無料・有料にかかわらず、ライセンスはサイトや素材ごとに違います。ダウンロードする前に、利用規約を読んでおきましょう。
- 生成AIで作った画像…使ったサービスの利用規約で、商用利用が認められているかを確認します。また、既存のイラストや写真、実在の人物によく似た画像は、権利侵害を疑われるおそれがあるので避けましょう。
- 有名なキャラクターやロゴ…アニメのキャラクターや企業のロゴなどを、許可なくジャケットに使ってはいけません。
私のおすすめは、素材をそのまま使うのではなく、STEP1で決めた色やフォントのルールに合わせて加工し、「自分のジャケット」に仕上げることです。同じルールで作り続けると、リリースを並べたときに統一感が出ます。
よくある質問
デザインが苦手でもロゴは作れますか?
作れます。最初は、好きなフォントでアーティスト名を書くだけの「文字ロゴ」で十分です。色とフォントさえ統一しておけば、それだけでブランドとして認識されやすくなります。
ジャケットはデザイナーに頼んだほうがいいですか?
予算があれば、プロに頼むのも良い選択です。その場合は、STEP1で決めた言葉や色のルールを伝えると、イメージどおりに仕上がりやすくなります。依頼するときは、ジャケットとして配信やSNSに使ってよいかなど、使える範囲を事前に確認しておきましょう。
まとめ
- 最初に自分の曲の雰囲気を言葉にし、色・形・フォントのルールを決める
- ロゴは小さくても読めるシンプルなものに。ジャケットは配信サービスのルールを確認して作る
- 素材や生成AI画像は、商用利用できるか・既存の作品に似ていないかを必ず確認する
ロゴとジャケットができれば、EDMプロデューサーとして周りに差をつけられます。ぜひ作ってみてください。次は「#6 SNSの攻略法」や「#4 個人で曲を配信する方法」も読んでみてください。前回の「#3 海外レーベルと契約する方法」もおすすめです。それではまた、次回の記事でお会いしましょう。Happy Producing<3

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