
EDMマーケティング講座では、全11回にわたり、日本人の個人EDMプロデューサーが海外でも活躍するための方法を解説しています。第6回のテーマはSNSでファンを増やす方法です。結論から言うと、今はTikTok・Instagramリール・YouTubeショートの短尺動画で見つけてもらい、ストリーミングやほかのSNSでつながりを深めるのが基本の流れです。
この記事でわかること
- SNSがEDMプロデューサーに必要な理由と、フォロワーが少なくても始めるべき理由
- TikTok・Instagram・YouTube・Xなど、SNSごとの役割と使い分け
- 投稿ネタの例と、続けるための時間管理のコツ

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なぜSNSが重要なのか?

SNSを使う理由は、曲を聴いてくれた人を「コアなファン」に育てるためです。
みなさんの中には、こう考えている方もいるでしょう。「いい曲をSpotifyやSoundCloudに置いておけば、再生数は自然に増えていくんじゃないの?わざわざSNSを更新するのは面倒」。確かに、それも一面の真実です。しかしSNSを使えば、
- より速く
- より多く
- より高い確率で
あなたの「オタク」ファンを作ることができます。
上の図は、マーケティングの基本である「セールスファネル」の考え方です。曲を聴いた人の一部が「SNSをフォローしてみようかな」と思い、さらにその一部が、新曲が出たら必ず聴いてくれるコアなファンになります。コアなファンが、再生数やグッズの売上、ライブの動員を支えてくれるというのが、今回紹介する考え方です。
現実の人間関係と同じで、何かを発信している人に興味を持ったら、フォローしたり話しかけたりしたくなりますよね。たまたまショート動画を見た人がSpotifyで曲を聴いてくれたり、プレイリストで気に入ってくれた人がInstagramをフォローしてくれたりします。つまり、複数のSNSとストリーミングを相互につなげることで、あなたへの親近感と興味が高まり、コアなファンが少しずつ増えていくのです。
フォロワーが少ないなら、やる意味はない?

フォロワーが少なくても、SNSを始める意味は十分にあります。
「今のフォロワーは200人くらいだし、発信しても誰も聞いていない」と考えた方もいるかもしれません。ですが、Wired誌の創刊に関わったKevin Kelly氏の「1,000 True Fans」という考え方では、作品を出せば必ず買ってくれるような熱心なファンが1,000人いれば、クリエイターは活動を続けられるとされています。
100万人に知られているのも素晴らしいことですが、「新曲を出したら必ず聴いてくれる、オタクファンが1,000人いること」も、同じくらい価値があります。インターネットのおかげで、少数のファンに直接届ける「ロングテール」型の活動がしやすくなりました。
しかも、TikTokやショート動画はフォロワー数より内容でおすすめに表示されやすい仕組みです。フォロワーが少ない今こそ、始めるのに向いているタイミングとも言えます。
どのSNSを使えばいいのか?

全部を完璧にやる必要はありません。「見つけてもらう場所」と「つながる場所」を1つずつ決めて始めるのがおすすめです。
| SNS | 主な役割 | EDMプロデューサーの使い方 |
|---|---|---|
| TikTok | 見つけてもらう | ドロップの一部、制作の過程、ビフォーアフターなどの短い動画 |
| 見つけてもらう+つながる | リールで新規の人に届け、ストーリーズやDMでファンと交流 | |
| YouTube | 見つけてもらう+深く知ってもらう | ショートで入口を作り、通常の動画でDJ mixや制作解説、ビジュアライザー |
| X(旧Twitter) | 意見を発信する・業界とつながる | リリース告知、制作の考え、ほかのアーティストや関係者との交流 |
| 公式の告知 | 海外のファンやイベント向けの公式な告知。優先度は低めでOK |
TikTok・Instagramリール・YouTubeショート(短尺動画)
今、新しいリスナーに見つけてもらう一番の入口は短尺動画です。縦型で数十秒の動画は、フォロワー以外にもおすすめとして表示されます。EDMは「ドロップの一瞬」が強いジャンルなので、短尺動画と相性が抜群です。
- 最初の1〜2秒で、一番おいしい音や映像を見せる
- 同じ動画を、TikTok・リール・ショートの3か所に投稿して反応を比べる
- 反応がよかった曲は、フル尺の動画やリリースにつなげる
Instagramは、あなたのブランドのビジュアル面と親しみやすさを作るのに最適な場所です。リールで新しい人に見つけてもらい、ストーリーズやDMでファンと距離を縮めましょう。ジャケット画像やアーティスト写真の雰囲気をそろえると、ブランドとして覚えてもらいやすくなります。ビジュアル作りはロゴやジャケット画像を作る方法を参考にしてください。
YouTube
YouTubeは、ショートで入口を作りつつ、通常の長い動画であなたのことを深く知ってもらえる場所です。曲のビジュアライザーはもちろん、人によってはDJ mixや制作過程の動画を作るのも面白いでしょう。YouTubeの大きな音楽チャンネルに紹介してもらう方法は、こちらの記事を参考にしてください。
X(旧Twitter)
Xは「何か意見を言う場所」として優秀なプラットフォームです。誰かを傷つけるような発言は避け、自分が大事だと思うことを話せば、共感してくれる人はきっといます。海外のプロデューサーやレーベル関係者と直接つながりやすいのも魅力です。
Facebookは、国内では若い世代の利用が少なめですが、「公式会見の場所」だと思って使うとよいでしょう。リリースやレーベルとの契約など、大事なお知らせを残しておく場所として活用できます。
とにかく定期的に更新しよう

Consistency is the key!
SNSで最も大切なコツは、定期的に更新し、ファンと関わる時間をとることです。ファンが「そろそろ新しい投稿があるかな」と期待して待ってくれる状況を作れるからです。
そうなれば、あなたの発言力も高まり、コンテンツを見てくれる人も増えていきます。投稿が続いているアカウントは、各SNSのおすすめにも表示されやすくなります。
ただし、質の低いコンテンツを量産するのはやめましょう。「じゃあ何を投稿すればいいの?」という方のために、EDMプロデューサーにおすすめの投稿ネタを紹介します。
- 15〜30秒ほどのティーザー動画(ドロップの直前で止めると期待感が高まる)
- DAWの画面を映した制作過程や、音作りのビフォーアフター
- 30〜60分ほどのDJ mixを作って公開し、そのリンクを紹介する
- DJやライブをしたときの写真・動画
- スタジオの様子や、機材の紹介
- ジャケット画像を作ってくれた人やコラボ相手へのお礼
- 気に入ったほかのアーティストの紹介
- 自分が気づいた制作やマーケティングのコツの共有
短尺動画で他人の曲を使う場合は、各SNSの公式音源ライブラリを使うなど、権利に注意してください。自分の曲を使うのが一番安全です。
SNSとの上手な付き合い方

SNSは、時間を決めて計画的に使うのがコツです。SNSが気になって制作が手につかなくなったり、SNS疲れで気持ちが落ち込んだりしては、元も子もありません。
- 投稿は予約機能でまとめて準備する(Hootsuite、Sprout Social、Laterなどのツールや、各SNSの予約投稿機能)
- コメントへの返信は1日1〜2回など、時間を決めて行う
- 制作中は通知をオフにする
制作者にとって一番大事なのは、やはり曲です。SNSは「曲を届けるための道具」と割り切って、無理のないペースで続けましょう。
よくある質問
SNSは全部やるべきですか?
いいえ。最初は短尺動画のSNSを1つと、交流用のSNSを1つに絞るのがおすすめです。続けられる数に絞ったほうが、結果的にファンは増えやすくなります。
顔出しは必要ですか?
必須ではありません。DAWの画面や機材、手元だけの動画でも十分に発信できます。EDMでは、ロゴやマスクなどでキャラクターを作るアーティストもいます。
まとめ
- SNSは、曲を聴いてくれた人をコアなファンに育てるための道具
- 今は短尺動画(TikTok・リール・ショート)で見つけてもらうのが入口
- 大切なのは定期的な更新と、時間を決めた計画的な運用
次は、ストリーミングで再生数を伸ばす方法も読んでみてください。

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