
曲がなかなか完成しない人の多くは、作業の順番と区切りが決まっていません。EDM制作は、「アイデア集め → 作曲 → アレンジ → ミックス → マスタリング」の5ステップに分け、工程ごとに時間の区切りを決めるだけで、ぐっと効率よく進められます。この記事では、海外のプロデューサーの実例をもとに、EDM制作のワークフローを解説します。
この記事でわかること
- ワークフローとは何か、なぜ曲作りが速くなるのか
- アイデア集めからマスタリングまで、5ステップの具体的な進め方
- 時間の区切り方やテンプレートなど、曲を最後まで完成させるコツ
ワークフローとは?
ワークフローとは、曲作りの「作業の順番と時間の枠組み」のことです。
みなさんは、普段の曲作りで自分なりのワークフローを持っていますか?もし、キックのEQ調整だけで3時間かかっているなら、ワークフローを見直したほうがいいかもしれません。例えば、最初の15分でピアノのコードを5つ作る。そのあと、ドラムの音探しに10分かける。このように、行動の枠組みを決めて作業するのがワークフローです。
ワークフローを決めると、次のようなメリットがあります。
- 迷う時間が減る:今何をすべきかが明確になる
- 細部にこだわりすぎない:全体ができる前に1つの音を磨きすぎる失敗を防げる
- 曲を完成させる回数が増える:完成させた曲の数が、そのまま上達につながる
この記事の手順は FL Studio Template Pro に設定済みです。 詳細を見る →
ワークフローの実例
海外のプロデューサーは、作業を工程ごとにはっきり分けて進めることが多いです。
例えば、Reddit の Ableton コミュニティには、あるプロデューサーが自分の基本的なワークフローを図にまとめて共有した投稿があります(Here’s my basic song workflow. Would love to see yours.(r/ableton))。この投稿を参考に、EDM制作のワークフローを5つのステップに分けて解説していきます。
1. アイデア集め

最初に、曲の土台になる要素を作ります。この段階の質が、この後の工程の質を大きく左右します。そのため、とにかくたくさんアイデアを出すのがコツです。たくさん作れば、その中に1つは光るものが見つかるはずです。アイデアの例としては、次のようなものがあります。
- ボーカルのメロディ(鼻歌など)
- ドラムループ
- ピアノなどのコード進行
鼻歌なら、iPhone の「ボイスメモ」などのアプリに普段から録音しておく習慣をつけると、次のステップが楽になります(以前紹介していた Apple の Music Memos は、2021年に配信が終了しています)。
また、今人気のコード進行を借りてきて、そこから曲を作り始めるプロデューサーも多いです。もちろん、オリジナルのコード進行から始めるのはさらに良いでしょう。人気のコード進行の例や、オリジナルのコード進行の作り方は「EDMにオススメのコード進行5選と、オリジナルのコード進行の作り方」で解説しています。曲の始め方のパターンは「曲作りの始め方」も参考にしてください。
2. 作曲

核となるアイデアが決まったら、メロディやコードを奏でる楽器を足していき、パソコンの中にあなただけの「オーケストラ」を作っていきます。足していく楽器の例は、次の通りです。
- メロディ系(リード、ボーカルなど)
- コード系(パッド、プラック、ピアノなど)
- ベース系(ベースギター、サブベースなど)
- リズム系(ドラム、FXなど)
これまでの記事では、さまざまなおすすめのプラグインやサンプルパックを紹介してきました。
そこで紹介したような楽器を足し、MIDIを打ち込んで作曲していきましょう。個人的に、この作業はいつも発見や感動があるので大好きで、EDM制作を続けるモチベーションの核になっています。
この段階では、8〜16小節の「ループ」で一番盛り上がる部分(ドロップ)を先に作るのがおすすめです。曲の一番おいしい部分が決まれば、ほかのセクションはそこから逆算して作れます。
3. アレンジメント

ある程度作曲が終わったら、アレンジメントに進みます。アレンジメントとは、簡単に言えば並べ替えの作業です。どこをドロップ(サビ)にするか、どこをイントロにするかなどを考えていきます。EDMの基本的な構成は、次のようになっています。
- イントロ
- バース
- ビルドアップ
- ドロップ
- バース(2回目)
- ビルドアップ(2回目)
- ドロップ(2回目)
- アウトロ
それぞれのセクションを16小節程度と考えると、曲全体はだいたい3〜5分に収まります(テンポや各セクションの長さによって変わります)。
バースとは、ドロップの反対でまだ盛り上がっていないセクションのことです。ピアノとボーカルだけのように、少ない要素でミニマルに構成することが多いです。
ビルドアップとは、ドロップに向かってテンションを一気に上げていく部分です。スネアロールを入れたり、ピッチや音量をだんだん上げたりすることが多いです。ビルドアップの直前に「ブレイクダウン」という、ひと息つくセクションを挟む場合もあります。各セクションの作り方は「イントロ」「ビルドアップ」「ドロップ」の記事で解説しています。

また、FL Studio テンプレート Proには、あらかじめEDM向けのアレンジメント(曲の構成)が設定されています。展開をゼロから考えなくても、定番の構成に沿って曲を組み立てられるので、アレンジで手が止まりがちな方におすすめです。
4. ミキシング

アレンジメントが終わったら、ミキシングで曲を仕上げていきます。ミキシングとは、各楽器やサンプルの音量バランスを整えたり、EQやコンプで音質を調整したりする作業です。ミックスのやり方は「EDMのmixのやり方を全て解説します」で、すべての手順を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
5. マスタリング

ミックスが終わったら、Spotify や SoundCloud などで公開できるように、音圧を整えたりステレオ感を調整したりする最後の仕上げを行います。
この作業はマスタリングと呼ばれ、ミキシングと同じように、やり方には「型」があります。こちらも「プロが行うマスタリングを、たったの6手順で解説します」ですべての手順を紹介しています。
ワークフローを速くする5つのコツ
- 工程ごとに時間を区切る:「アイデア集めは30分」のようにタイマーをかけると、細部にこだわりすぎるのを防げます。
- 工程を行き来しすぎない:作曲中にミックスを始めると、手が止まりがちです。ミックスは「あとでやる」と割り切りましょう。
- テンプレートを用意する:よく使う音源、ミキサーのルーティング、エフェクトを読み込んだ状態のプロジェクトを保存しておくと、毎回の準備がいりません。
- 音色ライブラリを整理する:お気に入りのキックやスネアをフォルダにまとめておくと、音探しの時間を大きく減らせます。
- 日を置いて聴き直す:ミックスやマスタリングの前に一晩置くと、耳がリセットされて判断がしやすくなります。
よくある質問
ワークフローの順番は必ず守るべきですか?
必ずではありません。ドラムから作る人もいれば、ボーカルから作る人もいます。大事なのは「自分の型」を決めて、毎回迷わないようにすることです。慣れてきたら、自分に合うように順番を入れ替えてみましょう。
1曲にどのくらい時間をかければいいですか?
決まりはありませんが、初心者のうちは時間をかけすぎるより、短い期間で何曲も完成させるほうが上達につながりやすいです。締め切りを自分で決めて、完成させる習慣をつけましょう。
まとめ
- EDM制作は「アイデア集め → 作曲 → アレンジ → ミックス → マスタリング」の5ステップで進める
- 工程ごとに時間を区切り、細部にこだわりすぎないことが完成への近道
- テンプレートや音色ライブラリを整えておくと、準備の時間を大きく減らせる
ぜひあなたも、自分なりの制作の流れを確立してみてください。次はこちらの記事もどうぞ。

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