自分でマスタリングしたい!

マスタリングとは、ミックスが終わったデータの音圧をあげたり、細かな音質の調整をすることで、リリース可能な最終的な楽曲データを作る作業のことを言います。

海外のプロは、ロサンゼルスなどにある有名なスタジオのエンジニアに頼んで、有料で曲をマスタリングしてもらうことも多いと聞きます。しかしながら、自分の力でマスタリングすることができるに越したことはありません。

今回の記事では、その手順を全て余すところなく、6段階でスッキリと解説していきます。

  • ステップ1:準備する
  • ステップ2:修正する
  • ステップ3:音質を高める
  • ステップ4:コンプをかける
  • ステップ5:リミターをかける
  • ステップ6:リファレンス・トラックと比べる

それでは、早速始めていきましょう!


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目次

ステップ1:準備する

目標:全ての必要ツールを揃えて、マスタリングの環境を作ります。

  • まだコンプをかけていない、ヘッドルームが6dBほどのミックスデータ(ステレオ)を、Wavファイルで書き出しましょう。
  • 書き出すときのサンプルレートは、最低でも24 bit / 44.1kHzにしましょう。できるなら、24 bit / 96kHzがベストです。
  • 新しいプロジェクトを作成して、ミックスデータを読み込んでください。今、プロジェクトには最終ミックスの音源1つしかないはずです。
  • そのあとは、いくつか、自分が「理想」だと感じるサウンドを持っているプロの曲を2、3曲読み込んでおきます。これはステップ7で、「リファレンス・トラック」として使います。

ステップ2:修正する

目標:ノイズやクリック音などのをゴミを取り除いて、音質の改善を目指します。

  • アナライザーを用いて、時々急に飛び上がるような周波数があれば、Qを狭くしたEQで2〜6dBカットして下さい。
  • 高音が耳に痛ければ、ディエッサーやボリュームオートメーション、Qを広げたEQを用いて改善しましょう。
  • 低音がこもっているならば、200〜500Hzあたりを、Qを広くしたEQで1〜4dBほどカットしてみましょう。
  • 急にぷつっとしたクリック音があったり、音の途切れがないかを確認しましょう。もしかすると、書き出し時のPCのミスかもしれません。
  • もし、上に挙げたような方法でも改善が難しいパートがあれば、ミックスをやっていたプロジェクトに戻って、楽器ごとに1から改善することを検討しましょう。

ステップ3:音質を高める

目標:プラグインを用いて、全体的な音質を向上させます。

  • EQを用いて、極限まで音質を高めます。ただ、ここではあまり激しくかけ過ぎないように注意してください。10,000Hz以上を、広めのQで1dBくらい、少しだけかけるのがコツです。
  • ステレオ・ワイドニングプラグイン(Ozone Imagerなど)を利用して、ステレオイメージを向上させましょう。110Hz以下は完全にモノラルにして、それよりも上はステレオを30%くらい向上させるのがおすすめです。
  • サチュレーションやエキサイター、テープ・シュミレーターなど、高域をリッチにしてくれるプラグインも試してみましょう。ただし、ここでもかけ過ぎには注意です。

ステップ4:コンプをかける

目標:ミックスだけでは足りない分のコンプをかけ、次のステップで音圧を十分にあげられるようにします。

  • 実際、ミックスでコンプレッサーを使っていた場合は、マスタリングでわざわざかける必要ない可能性も十分にありえます。まずは「本当に必要なのかどうか」を、つけたり外したりしながら考えましょう。
  • もしコンプをかけるなら、Ratioは1.5:1〜2:1あたりの小さめの値にしましょう。マスタリングは、とにかく「控えめ」にすることが大切です。
  • マスタリング時に、コンプが減らしても良いゲインは2dBくらいと言われています。くれぐれも、4dB以上は圧縮しないように注意しましょう。
  • マルチバンド・コンプレッサーは、様々な周波数の楽器が混ざっているマスタリング時のコンプには、最適です。ぜひ利用しましょう。

ステップ5:リミターをかける

目標:マーケットにリリース可能なレベルまで、音圧をあげます。

  • マスタリング・チェーンの一番最後に、リミターをかけます。
  • だいたい2dBから4dBほど圧縮されていたら適切なリミティングがされていると言われています。
  • 必ずヘッドルームは0.1〜0.3dBは残しておきましょう。そうしないと、Soundcloudなどのサイトではディストーションが起きてしまいます。

ステップ6:リファレンス・トラックと比べる

目標:市販の高品質な曲と聴き比べて、問題点を探ります。

  • リファレンス・トラックと交互に自分の曲を再生し、音圧は足りているか確認します。
  • アナライザーを見て、足りていない周波数帯はないかを確認します。
  • スピーカー、ヘッドホン、イヤホン、車のオーディオ、スマートフォンのスピーカーなど、できる限り様々な環境でリファレンス・トラックと聴き比べてみて、問題点を探ります。

以上で、マスタリングは終了です!早速、曲のリリースの準備を始めましょう。それではまた次回、お会いしましょう。Happy Producing<3


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