
Peak Controller(Fruity Peak Controller)は、音量の変化やLFOの動きを「コントロール信号」に変えて、他のノブを自動で動かすFL Studio純正プラグインです。代表的な使い道は、Kickに合わせて他の音を下げるサイドチェーンと、Padの音量を周期的に揺らすLFOです。この記事では、パラメータの意味から具体的な設定手順までを解説します。
この記事でわかること
- Peak Controllerとは何をするプラグインか
- Peakセクション・LFOセクションの各パラメータの意味
- 応用例①:KickでPadやベースにサイドチェーンをかける手順
- 応用例②:LFOでFuture Bass系Padを揺らす方法
この記事の手順は FL Studio Template Pro に設定済みです。 詳細を見る →
Peak Controllerとは何か

Peak Controllerは、ひと言でいうと「音の情報をキャッチして、別のノブに伝える仲介役」のプラグインです。それ自体は音を加工しません。キャッチした情報を、他のプラグインやミキサーのパラメータに「リンク」して使います。
できることは大きく2つです。
- Peak(ピーク):挿したミキサートラックの音量の変化を読み取り、コントロール信号にする。Kickの音量を読み取ってサイドチェーンをかけるのが定番です。
- LFO:音とは関係なく、一定の周期で揺れる信号を作る。シンセの音量やフィルターを周期的に動かすのに使います。
Peak Controllerのパラメータの意味

操作はシンプルで、音量の情報を使いたいなら「Peak」セクション、周期的な揺れを使いたいなら「LFO」セクションを触ります。どちらのセクションも、「BASE」で出力の下限(基準になる値)を決め、「VOL」で変化の幅を決める、というのが基本の考え方です。
Peakセクション
| パラメータ | 役割 |
|---|---|
| BASE | 出力の下限(オフセット)。何も鳴っていないときの値 |
| VOL | 変化の幅。-200%〜200%で、マイナスにすると「鳴るたびに下がる」動き(ダッキング)になる |
| TENSION | 立ち上がりと戻りのカーブの形。特に戻り(Decay側)で違いがわかりやすい |
| DECAY | BASEの値まで戻るのにかかる時間 |
LFOセクション
| パラメータ | 役割 |
|---|---|
| BASE | LFOが出力する下限の値 |
| VOL | LFOの揺れの幅(-100%〜100%) |
| TENSION | LFOの値をどんなカーブで出力するか |
| SHAPE | 波形(サイン、三角、矩形、ノコギリ、ランダム) |
| SPEED | 揺れる速さ |
| PHASE | LFOの開始位置のずれ |
このほか、出力の急な変化をなめらかにしてクリックノイズを防ぐRampスイッチと、入力された音を通さないMuteスイッチがあります。Muteは初期状態でオンなので、Peak Controllerを挿したトラックの音が聴こえないときは、ここを確認してください。
パラメータの正式な説明は公式マニュアルで確認できます。
応用例①:Kickでサイドチェーンをかける
一番よくある使い方が、Kickが鳴るたびにPadやベースの音量を下げるサイドチェーンです。Kickがはっきり聴こえるようになり、EDMらしいうねり(ポンピング)も生まれます。手順は次の通りです。
- KickのミキサートラックにPeak Controllerを挿す
- 下げたい音(例:Pad)のトラックの音量ノブ(Fruity Balanceの音量など)を右クリックし、Link to controllerを選ぶ
- Internal controllerから「Peak ctrl – Peak」を選んでリンクする
- Peak ControllerのBASEを上げ、VOLをマイナス方向に回す(Kickが鳴るたびにPadが下がるようになる)
- DECAYとTENSIONで、音量が戻るまでの速さとカーブを調整する
KickのトラックでPeak ControllerのMuteをオンにしたまま、別のトラックでKickを鳴らせば、「聴こえないKick」でサイドチェーンだけかけることもできます。ドロップ以外のセクションでもリズムを刻みたいときに便利です。
なお、ミキサーのボリュームフェーダーに直接リンクするより、Fruity Balanceなどを挿してその音量ノブにリンクするのがおすすめです。フェーダーはミックスの調整用に空けておけるからです。サイドチェーンの考え方とほかのやり方は「サイドチェーンとは?具体的なやり方3つと、プロが使う応用テクニック」で詳しく紹介しています。Fruity Limiterのコンプレッサーのサイドチェーン機能を使う方法もあります。
応用例②:Future Bass系Padを揺らす
Peak Controllerは、ただのLFO生成ツールとしても使えます。上の動画のように、LFOの動きをFruity BalanceやPanomaticの音量ノブにリンクするだけで、Future Bassでよく聴く「揺れるPad」が作れます。
- PadのミキサートラックにPeak ControllerとFruity Balanceを挿す
- Fruity Balanceの音量ノブを右クリック → Link to controller → 「Peak ctrl – LFO」を選ぶ
- LFOのSHAPEで波形を選び、SPEEDで揺れの速さを曲のテンポに合わせる
- BASEとVOLで、揺れの深さを調整する
波形を矩形(スクエア)にすれば「ブツッ、ブツッ」と刻むゲート風の効果、サインにすればなめらかなうねりになります。Panomaticの記事でも紹介しましたが、ミキサーのボリュームフェーダーにはオートメーションやリンクをかけないことが、ミックスをやりやすくするコツです。
Padの音作り自体は「美しいPadサウンドを作るコツ」をどうぞ。
よくある質問
Peak Controllerを挿したトラックの音が聴こえません
Muteスイッチが初期状態でオンになっているためです。音を聴きたい場合はMuteをオフにしてください。サイドチェーン用のトリガーとして使う場合は、あえてオンのままにしておく方法もあります。
サイドチェーンはPeak ControllerとFruity Limiterのどちらで行うべき?
どちらでもかけられます。Peak Controllerはリンク先のノブを直接動かすので、音量以外(フィルターなど)も動かせるのが強みです。コンプレッサーらしい自然なかかり方が欲しいときはFruity Limiterが向いています。
リンクするとプチプチとノイズが出ます
出力の変化が急すぎるのが原因かもしれません。Rampスイッチをオンにするか、DECAYやTENSIONで動きをなめらかにしてみてください。
まとめ
- Peak Controllerは、音量の変化(Peak)や周期的な揺れ(LFO)を他のノブに伝えるプラグイン
- Kickに挿してVOLをマイナスにリンクすれば、サイドチェーンがかけられる
- LFOをFruity Balanceにリンクすれば、Future Bass系の揺れるPadが手軽に作れる
あわせて「FL Studioのオートメーションとは?」や「EDMのミックスのやり方」も読んでみてください。それでは、みなさんも自分だけのPeak Controllerの新しい使い方を発見してみてください。また次回の記事でお会いしましょう。Happy Producing<3

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