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ディレイ(やまびこ効果)のイメージ

「ディレイをかけると、なぜかミックスがごちゃごちゃする」という方に向けて、ディレイの使い方をEDM制作向けにまとめました。結論から言うと、ディレイはBPMに合わせたタイミングで、控えめな量をかけるのが基本です。これだけで、グルーヴが増え、フレーズの隙間が自然に埋まります。

この記事でわかること

  • ディレイとは何か、EDMで使う目的
  • BPMに合わせたディレイタイムと、定番の設定パターン
  • ミックスを濁らせないコツと、おすすめのディレイプラグイン

ディレイとは?

ディレイで音が繰り返されるイメージ

ディレイは、山びこのように音を遅らせて繰り返すエフェクトです。山の頂上で「ヤッホー!…ヤッホー!…」と、だんだん小さくなっていくあの効果です。リバーブとセットで「空間系エフェクト」と呼ばれますが、EDMでディレイを使う理由は、空間を表現するというよりも、

  • 曲のグルーヴ感を増やすため
  • フレーズの隙間(何もない時間)を埋めるため

のほうが大きいです。具体例を聴いてみましょう。

上の Rameses B – We Love は、ディレイを特にうまく活用している曲です。ボーカルやプラックなど、ポイントを絞ってディレイをかけることで、トラック全体のグルーヴが一段と増しているのがわかります。

この記事の手順は FL Studio Template Pro に設定済みです。 詳細を見る →

ディレイの主なパラメータ

ディレイの設定は、「どれくらい遅らせるか(タイム)」「何回繰り返すか(フィードバック)」「どれくらい混ぜるか(ミックス)」の3つが中心です。

  • Time(ディレイタイム): 元の音から何ms(または何分音符)遅れて繰り返すか。
  • Feedback(フィードバック): 繰り返しの回数(減衰の速さ)。大きいほど長く残ります。
  • Mix/Wet(ミックス): ディレイ音をどれくらい混ぜるか。
  • Filter(フィルター): 繰り返す音の高域・低域を削る機能。削るほど、ディレイ音が奥に引っ込みます。
  • Stereo/Ping Pong: 繰り返しを左右に振り分ける機能。

BPMに合わせたディレイタイムの目安

ディレイタイムは、曲のBPMに合わせるのが基本です。多くのディレイには「テンポ同期(Sync)」機能があり、音符の長さで指定できます。ms(ミリ秒)で指定する場合は、60,000 ÷ BPM = 4分音符の長さ(ms)で計算できます。

音符128BPMでの長さ使いどころ
4分音符約469msボーカルの語尾に、ゆったりした残響を足す
付点8分音符約352msリードやプラックに、跳ねるようなグルーヴを足す(EDMの定番)
8分音符約234msフレーズの隙間を細かく埋める
8分音符の3連約156msリズムに揺れを加える
16分音符約117ms音を太く・厚くする(ダブリング的な使い方)

FL Studio 付属の Fruity Delay 3 の具体的な設定は、Fruity Delay 3 の使い方で解説しています。

ディレイの使い方とコツ

ディレイは仕組みこそ簡単ですが、適当に使うとミックスがごちゃごちゃしやすいのが欠点です。基本や、ミックスを壊さない扱い方は次の動画が参考になります。

動画の内容に加えて、次の5つを意識すれば十分です。

  1. BPMに合わせる: テンポ同期を使い、曲のリズムとずれないようにします。
  2. ミックス量は控えめに: 「なくなると寂しい」くらいが適量です。センドトラック(Send)にディレイを挿し、複数の楽器で共有するとまとまりやすくなります。
  3. ディレイ音にフィルターをかける: ディレイ音の低域と高域を削ると、元の音とぶつからず、奥に自然に広がります。
  4. ピンポンディレイを活用する: 繰り返しを左右に振ると、センターの主役を邪魔せずに広がりを出せます。
  5. ディレイ音にもサイドチェーンをかける: それでも物足りない、またはごちゃつく場合は、Sidechain Reverb&Delay で紹介されているように、ディレイ音を元の音やキックでダッキングすると、はっきりしたまま余韻を残せます。やり方はサイドチェーンの記事をどうぞ。

よくある失敗は、すべての楽器に同じディレイを深くかけてしまうことです。ディレイは「ここぞ」というフレーズだけにかけるほうが、印象に残ります。ボーカルの語尾だけ、ドロップ前の1音だけ、といった使い方をオートメーションで作るのもおすすめです。

海外で人気のディレイプラグイン

海外のEDMプロデューサーの間では、ほとんどの場合DAW内蔵のディレイが使われています。ディレイはプラグインによる差が比較的小さいので、まずは内蔵のもので十分です。アナログ感のある音にこだわりたい人は、

Waves H-Delay の画面

などを使っていることもあります。興味があれば試してみてもいいですが、優先順位はそこまで高くありません。価格はセールで変動するので、購入前に販売ページで確認してください。ほかのエフェクトも含めた選び方はおすすめVSTプラグイン【Effect編】で紹介しています。

よくある質問

ディレイとリバーブはどう使い分けますか?

リバーブは音の「空間(部屋の広さ)」を、ディレイは「リズムのある繰り返し」を作ります。音を奥に置きたいならリバーブ、グルーヴや隙間を埋めたいならディレイ、と考えるとわかりやすいです。リバーブについてはリバーブの使い方をどうぞ。

ディレイはインサートとセンド、どちらで使いますか?

1つの楽器だけに個性的なディレイをかけるならインサート、複数の楽器で同じ空間を共有したいならセンドがおすすめです。センドで使う場合は、ディレイのミックスを100%(Wetのみ)にします。

まとめ

  • ディレイはEDMでは主にグルーヴを増やし、隙間を埋めるために使う
  • タイムはBPMに合わせる。迷ったら付点8分音符から試す
  • ミックス量は控えめに。フィルターとサイドチェーンで濁りを防ぐ

次は、ミックス全体の流れがわかるEDMのmixのやり方もあわせて読んでみてください。Happy Producing <3

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