
オートメーションとは、音量やフィルターなどの「値」を、曲の進行に合わせて自動で動かす機能です。FL Studioでは「オートメーションクリップ」をプレイリストに置いて使います。この記事では、オートメーションクリップの作り方、編集のしかた、EDMでよく使う動かし方を順番に解説します。
この記事でわかること
- オートメーションとは何か、何に使うのか
- 純正プラグインとVSTプラグインでのオートメーションクリップの作り方
- ポイントの追加・削除、カーブの種類、LFOモードなどの編集方法
- ビルドアップのフィルターなど、EDMで定番の使い方とよくある失敗
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オートメーションとは?
オートメーションとは、何かしらの「値」を、自動的に動かす機能のことです。たとえば、サビの前に徐々にボリュームを上げて盛り上げたいときは、音量ノブのオートメーションクリップを作れば、毎回手で動かさなくても同じ動きが再現されます。
EDMでは、次のような場面でオートメーションを使います。
- ビルドアップ:ハイパスフィルターを少しずつ上げて、ドロップ前の緊張感を作る
- ドロップ:リバーブの量を減らして、音を近く・太く聴かせる
- ブレイク:ローパスフィルターを閉じて、こもった音から徐々に開く
- 音量の調整:セクションごとに楽器の音量やパンを変える
オートメーションを丁寧に描くと、同じループでも曲の表情がぐっと豊かになります。
オートメーションクリップの作り方
作り方は、FL Studio純正のノブなら「右クリック → Create automation clip」が一番簡単です。VSTプラグインなど、右クリックでメニューが出ない場合は「Last tweaked(最後に触ったパラメータ)」を使います。
純正プラグイン・ミキサーのノブの場合
- オートメーションしたいノブやフェーダーを右クリックする
- Create automation clipを選ぶ
- プレイリストにオートメーションクリップが追加される
VSTプラグインの場合
- プラグイン画面で、オートメーションしたいノブを少し動かす
- 画面上部のTOOLS → Last tweaked → Create automation clipを選ぶ
- プレイリストにオートメーションクリップが追加される
プレイリストであらかじめ範囲を選択してから作ると、その長さのクリップになります。範囲を選ばない場合は、曲全体の長さで作られます。

このほか、ノブを動かしながら録音してイベントとして記録し、あとからオートメーションクリップに変換する方法もあります。最初は上の2つの方法を覚えれば十分です。
オートメーションクリップの編集方法
編集の基本は、右クリックでポイントを追加し、ドラッグで位置を動かしてグラフを描くことです。よく使う操作をまとめます。
| やりたいこと | 操作 |
|---|---|
| ポイントを追加する | クリップ上を右クリック |
| ポイントを動かす | 左ドラッグ(Shiftで縦方向、Ctrlで横方向を固定) |
| ポイントを削除する | ポイントを右クリック → Delete |
| 正確な値を入れる | ポイントを右クリック → Type in value… |
| カーブの曲がり具合を変える | ポイントの間にある小さなハンドル(テンション)をドラッグ |
| カーブの種類を変える | 区間の右端のポイントを右クリックして選ぶ |
カーブの種類には、Single curve(なめらかなカーブ)、Hold(次のポイントまで値を保持)、Stairs(階段状)、Pulse、Waveなどがあります。ビルドアップのフィルターはSingle curve、セクションの切り替えで一気に値を変えたいときはHold、と使い分けると便利です。
LFOモードで周期的に動かす
オートメーションクリップのチャンネル設定にはLFOモードもあります。LFOスイッチをオンにすると、描いたグラフに周期的な揺れを加えられます。速さ(SPD)や深さ(LVL)を調整して、フィルターをテンポに合わせて揺らす、といった使い方ができます。音量を周期的に揺らすだけなら、「Peak Controller」のLFOを使う方法もあります。
曲の頭で値が戻る「初期値」に注意
右クリックメニューから作ったオートメーションクリップには、作成時のノブの値が「曲の初期値」として保存されます。再生を始めると、その値に戻ります。初期値を変えたいときは、ノブを目的の値にしてから右クリック → Init song with this positionを選びます。
より詳しい操作は、公式マニュアルを参考にしてください。
EDMで使える定番オートメーション3つ
まず覚えたいのは、「ビルドアップのハイパス」「ドロップ前の音量の溜め」「リバーブ量の切り替え」の3つです。
- ビルドアップのハイパスフィルター:ビルドアップの8〜16小節で、シンセやPadのハイパスフィルターのカットオフを少しずつ上げます。低域が抜けていくことで緊張感が高まり、ドロップで低域が戻ったときの迫力が増します。
- ドロップ直前の音量の溜め:ドロップの直前の1拍〜1小節だけ、音量を下げたり無音にしたりします。直後のドロップが大きく聴こえます。
- リバーブ量の切り替え:ブレイクではリバーブを多めに、ドロップでは少なめにします。広さと狭さのメリハリがEDMらしさを作ります。
展開の作り方は「ビルドアップの作り方」と「ドロップの作り方」で詳しく解説しています。
よくある失敗と対策
オートメーションでありがちなのは、ミキサーのフェーダーに直接オートメーションをかけてしまうことです。フェーダーが自動で動くと、あとからミックスのバランスを調整できなくなります。
- 音量のオートメーションは、Fruity Balanceなどを挿してそのノブにかける。フェーダーはミックス調整用に空けておく。
- クリップの数が増えたら、名前と色をつけて整理する。何を動かしているクリップか、すぐわかるようにする。
- よく使うオートメーションは最初に作っておく。フィルターや音量のクリップをテンプレート化しておくと、曲作りが止まりません。
ミックスの準備としてオートメーションを先に作っておく方法は、「EDMのミックスのやり方」でも紹介しています。
よくある質問
右クリックしても「Create automation clip」が出てきません
VSTプラグインのノブなどでは、右クリックメニューが出ないことがあります。ノブを少し動かしてから、TOOLS → Last tweaked → Create automation clip を選んでください。
再生するとノブの値が勝手に戻ってしまいます
オートメーションクリップに保存された「曲の初期値」に戻っているためです。ノブを目的の値にしてから、右クリック → Init song with this position で初期値を変更できます。
オートメーションクリップを短くしたいです
プレイリストで範囲を選択してから作成すると、その長さのクリップになります。作成後は、プレイリスト上でクリップの端をドラッグして長さを調整することもできます。
まとめ
- オートメーションは、音量やフィルターなどの値を曲の進行に合わせて自動で動かす機能
- 純正のノブは「右クリック → Create automation clip」、VSTは「TOOLS → Last tweaked」で作る
- 音量はフェーダーではなくFruity Balanceなどにかけ、ビルドアップのフィルターから試してみる
FL Studioの基本操作は「FL Studioの使い方」、打ち込みは「ピアノロールとは?」もあわせてどうぞ。

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